歌うシンセとして、大きく話題になったCASIOのCT-S1000Vが、いよいよ来週3月1日に発売が開始されます。すでに購入予約している方も多いと思いますが、カシオによればすでに初回生産分は完売とのことで、想像以上の売れ行きの模様。店舗によっては、まだ初回分の在庫があるところも一部存在するようなので、すぐに使いたい人は、急いだほうがよさそうです。
さて、そのCT-S1000Vをテーマに私と、マリモレコーズの江夏正晃さんとで展開しているYouTube番組、「江夏と藤本のオトトーク」は本日より第2章へと進みます。今回からはカシオの博物館ともいえる「樫尾俊雄発明記念館」へ行っての現地レポート。そう、ここには発明家でありカシオの礎を築いた故・樫尾俊雄さんが生み出した同社初の電子楽器である子音・母音音源システムや、PD音源として一世を風靡したCZ-101、超低価格サンプラーとして100万台以上を販売したSK-1をはじめとする数々のシンセが展示されているのです。懐かしいもの、今見てもスゴイと感じられるものなど、いろいろ。番組内では、それら黎明期のデジタルシンセを見学しにいくのですが、ここではその概要を簡単に紹介してみます。
CASIOのCT-S1000Vについては、以前の記事「CASIOが歌うシンセサイザ・CT-S1000Vをリリース。和音も歌える新型カシオトーンが3月発売」などでも紹介したとおり、まさに鍵盤を弾けば歌ってくれるユニークなシンセサイザです。歌声合成エンジンには、CeVIOのエンジンを提供するテクノスピーチのHMMエンジンを中枢に据えるとともに、カシオが特許申請するさまざまな技術を組み合わせることで、鍵盤を弾けば自分の指定した歌詞で自由に歌わせることができる、これまでにないユニークな楽器となっています。
ちょうど昨日の記事「WindowsはもちろんMacでも使え、DAW上のVSTiとしても動作するCeVIO Pro (仮)がα版として無償配布開始」で、そのテクノスピーチが新たに打ち出したDAW上のプラグインとして動作する歌声合成ソフト、CeVIO Pro (仮)について紹介したばかりですが、この歌声合成・音声合成の世界は、ここ1、2年で飛躍的な発展を続けています。
Dreamtonicsが開発する歌声合成ソフトSynthesizer Vがより人間らしく歌う機能を搭載したり、そのDreamtonicsがAHSと共同でVOICEPEAKというテキスト自動読み上げソフトを開発し3月11日に発売することになったニュースも先週「音声合成業界に激震! もはや人間の喋り声、入力文字読み上げソフトVOICEPEAKはビジネス用途でも自由に利用可能」という記事で書いたばかり。VOICEPEAKは、まさに人間による喋りと区別がつかないレベルまで進化していることから、大きな話題になったところですが、サウンドの技術の世界において、歌声合成・音声合成はまさにいま一番ホットなジャンルといって間違いないと思います。
その世界にハードウェアの楽器として打ち出してきたのがカシオのCT-S1000V。カシオからの情報によれば、3月1日発売開始となる初回出荷分はすでに完売とのことで、次期出荷に向けた増産を急いでいるのだとか。個人的には、海外の人たちの反応が気になるところで、これが世界的にヒットすれば、新たなムーブメントが起きるのでは……と期待しているところ。日本語はもちろん、英語も上手に歌ってくれる楽器だからこそ、面白いことになってくれるといいな、と思っています。
そんなカシオのCT-S1000VをテーマにしたYouTube番組、「江夏と藤本のオトトーク」は10分程度の番組として毎週更新しているのですが、第5回の今回からは、樫尾俊雄発明記念館編です。東京・成城にある、樫尾俊雄発明記念館は、兄弟とともに世界初の小型純電気式計算機14-Aを発明し、日本のエレクトロニクス産業の発展に貢献した発明家・樫尾俊雄さんの功績を後世に伝えるために設立されました博物館。実は、その樫尾俊雄さんが2012年まで実際に居住されていた自宅をそのまま展示スペースとして公開したもので、予約をすれば誰でも無料で入れる場所です。
今回は、これまで数々のデジタルシンセを開発してきたレジェンド、カシオ計算機株式会社 開発本部 開発推進統轄部 プロデュース部 プロデューサーの岩瀬広さんに案内していただく形で、江夏さんとともに樫尾俊雄発明記念館に行ってきたのです。
もちろん、最大の目的はここに80年代、90年代に開発されたカシオの数々のデジタルシンセ、電子楽器が展示されていること。冒頭でも触れた、子音・母音音源システムを搭載したカシオ電子楽器の初号機となるカシオトーン201だったり、冨田勲さんが使った世界に一台しかないコスモシンセだったり、PD音源のCZ-101、フロッピーディスクで動くサンプラーのFZ-1、ギタータイプのシンセサイザGD-10……などなど。
ただ、樫尾俊雄発明記念館は、これら電子楽器が展示されている音の部屋があるのは一番奥。そこにたどり着く前に、カシオ創業のキッカケとなるリレーで動く世界初の電子計算機が、いまも動く形で展示されていたり、その後のさまざまな電子計算機、関数電卓、プログラム電卓があったり、江夏さんが大好きなG-SHOCKを中心とする腕時計の歴代モデルが展示されているなど誘惑がいっぱい。
結局、樫尾俊雄発明記念館編の1回目は音の部屋にたどり着く前に時間切れとなってしまったのですが、その様子が以下のYouTubeです。
今後、さらに音の部屋の紹介や、岩瀬さんとの話の紹介なども展開していきますので、ぜひお楽しみに。
※2022.3.4追記 以下Vol.6を公開しました。
※2022.3.11追記 以下Vol.7を公開しました。
※2022.3.18追記 以下Vol.8を公開しました。
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CASIO CT-S1000V製品情報
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【番組情報】
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