以前「映えるUSBマイク、Thronmax MDrill One Pro! 独自のVERTIGAINテクノロジーを搭載した新世代マイクが登場」という記事で紹介したThronmaxに、ピンクでかわいいデザインのUSBマイクROSAが仲間入りをしました。今回発売されたROSAは、以前から発売されていたMdrill Zero Plusのカラーバリエーションモデルとなっており、96kHz/24bitで収録可能な配信やレコーディングに使える製品となっています。
先日11月30日に放送したDTMステーションPlus!では、このROSAで実際にレコーディングしてみました。その様子は、ニコニコ動画やYouTubeからアーカイブ視聴が可能となっています。また、フラグシップモデルのThronmax MDrill One Proでも録音したり、楽しい内容となっているので、ぜひご覧ください。さて、今回の記事では、このROSAについての概要をまとめるとともに、レコーディングした音も聴けるようにしています。実際にどんな機材なのか紹介していきましょう。
ROSAは、2021年11月12日に発売されたUSBマイク。ピンクのカラーリングが目を引くデザインとなっており、96kHz/24bitでの収録が可能となっています。なお、ROSAのブラックカラーバージョンであるMdrill Zero Plusは、1955年に創設され、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター(Design Zentrum Nordrhein Westfalen)が主催しているiF DESIGN AWARD、International Design Excellence Awards (IDEA)と並ぶ「世界三大デザイン賞」の一つ、国際的に権威のあるデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞2020」も受賞しており、国際的にも高い評価を得ているマイクといえるでしょう。
スペック自体は、Mdrill Zero Plusと同じで、搭載しているノブ、ボタンなども同一。底面には、WindowsやMacとUSB接続するためのUSB Type-C端子があり、その横には、ステレオミニのヘッドホン出力が用意されています。卓上型のコンデンサマイクでもありつつ、ヘッドホンでのモニタリングも可能なオーディオインターフェイスの側面も持ち合わせています。ちなみにUSBケーブルは、写真にもあるように本体カラーに合わせてピンク色となっています。
搭載している指向性のモードは、単一指向性と無指向性で、中央に配置されている大きなノブを使って、切り替えることができます。また、このノブはゲインの機能も含んでいます。左いっぱいに回すと、単一指向性でゲインが最大になり、中央に回すほどにゲインが小さくなります。一方、右いっぱいに回すと、無指向性でゲインが最大になり、同じく中央に回すほどゲインが小さくなります。ちなみに12時の方向にノブを回すと、マイクはミュートになります。
ちなみにLEDインジケーターが、
レッド → ミュート
グリーン → 無指向性
の3色の色分けで、視覚的に指向性やミュートの設定状況が認識しやすくなっています。
また、大きなノブの下にある「V」と書いてあるノブは、ボリュームノブとなっており、これでステレオミニのヘッドホン出力の音量の大きさを調整可能。
それから、Thronmax MDrill One Proにも採用されていた、独自のVERTIGAINテクノロジーを採用したグリルをROSAも装備しています。これにより、従来のマイクに使われている格子状のメッシュ部分が音波を散乱しやすかったのに対し、音波が散乱されにくくなっていて、キレイな音でボーカルでも、楽器音でもレコーディングできるようになっています。ちなみにポップノイズやウィンドノイズを防ぐためのウィンドスクリーンも付属しています。ウィンドスクリーンは、兄弟モデルともいえるMDrill Zero Plusには付属しておらず、ROSAのみこのピンクのスポンジが付いてきます。
さて、冒頭でもお伝えしたように2021年11月30日にDTMステーションPlus!にて、「映えるUSBマイクがハイレゾにも対応!Thronmax MDrill One Pro 第186回」と題し、ここでROSAの実演も含め、Thronmaxを紹介したので、ぜひお時間ある方はご覧ください。
ROSAの実演は、YouTube上では、1時間24分28秒辺りから視聴可能です。以下の動画は、実際に歌をレコーディングするところからスタートします。
レコーディングスタジオのようなボーカルレコーディングに最適な状況ではなく、またYouTubeなので音声も圧縮されてしまっていますが、いかがでしょうか?すごくクリアで、いいサウンドで録れていると思いませんか?もちろん普段プロの環境で使われているマイクには及ばないものの、いいサウンドで収録できるので、配信などで使うのであれば、まったく問題はないと思います。
番組上では、ROSAのヘッドホン出力をミキサーに繋いで、歌っていただいたALLIE(@mynameis_allie)さんのモニターと、放送用の信号で分岐しました。もし自宅で使うのであれば、ROSAのヘッドホン出力に自分の持っているヘットホンなど接続すればOK。ただ、ROSAはマイクに入力された音が、そのまま出力されるダイレクトアウトが、常時オンになっているので、ボーカルレコーディングの際は、少し工夫が必要です。
PCで再生した音は、ROSAのヘッドホンアウトから出力されるので、オケなどは問題ないです。ただ、ダイレクトアウトが常にオンになっているため、PCで処理されたボーカルをヘッドホンアウトに返すと、声が二重に聴こえてしまうので、解決するためのセッティングを簡単に紹介していきましょう。
以下の画像は、実際に番組内で使ったソングデータです。DAWはStudio Oneを使ったので、これをもとに説明しますが、基本的にはどのDAWでも実用可能。まず用意するトラックは、オケのデータの入ったトラック、歌を録るトラック、リバーブのトラックです。この3つとも通常のオーディオトラックとなっています。
まず歌を録るトラックのセッティングです。これは、通常の場合であれば、モニターボタンとレコードボタンを点灯させればいいですが、ROSAでレコーディングする場合は、レコードボタンのみ点灯させます。これにより、レコーディングはされるが、DAWで処理された音声はモニターに返さない、という設定ができます。
ただ歌を録るトラックで、モニターボタンをオンにしていないので、リバーブを返すことができません。そのため、リバーブトラックを用意して、これにリバーブエフェクトをインサート。リバーブトラックのモニターボタンのみを点灯させて、リバーブトラックウェットを100%にします。後は、フェーダーでリバーブの量を調節すればOK。これにより通常のボーカルレコーディングのように録音を行うことができます。ちなみに歌を録るトラックからセンドしているのは、再生用のリバーブとなっています。
先ほど、番組での歌声は聴いていただけたかと思いますが、Studio Oneで録音した音源を直接アップしてみました。1つは、通常の2mixに近い状態で、EQやコンプなどのエフェクトを掛けず、リバーブのみオンにしています。2つ目は、ボーカルのみソロにして、エフェクトやリバーブなどはオフ、素の状態にしています。
ソロにして聴いてみても、十分なサウンドのクオリティですよね。たとえば、配信している際中に歌う方、配信も歌も行う方など、見た目もかわいいので、いい選択肢だと思いますよ。価格は13,200円(税込)で、エントリーモデルとして入手しやすい設定となっています。番組内でも、ショックマウントやポップガードを使っていたようにThronmaxから、ほかのマイクでも使えるアイテムも発売されているので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?
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