レコード、カセットから24bit/96kHzでPCにダビング。フォノイコライザ、オプティカル出力搭載のハイレゾ対応USBユニット、Digizoが5,490円

とってもよく似てるけど、微妙に違うケースが多い楽器系とオーディオ系の入出力仕様。そのため、楽器用のオーディオインターフェイスをオーディオ機器と接続してもうまく動作しなかったり、正しい音で入出力できないというケースもしばしばです。たとえばレコードプレイヤーの出力をオーディオインターフェイスに入力しても正しい音で取り込めなかったり、PCの音をAVアンプにデジタル出力しようと思っても、うまく接続する手段がない……なんてことはおこりがち。

そうしたときに持っておいて損のないのが、オーディオ機器と接続するためのインターフェイスです。いわゆるオーディオインターフェイスとは少し異なるため、オーディオキャプチャユニットとかサウンドカードなどと呼ぶことが多いのですが、そうした製品はいろいろなメーカーからさまざまな機器が発売されています。今回ここでピックアップするのはPRINCETONが発売するハイレゾ対応のオーディオキャプチャユニット、PCA-HACUDigizo)なるもの。手のひらに乗るサイズのコンパクトな機材ではありますが、入力にフォノイコライザが搭載されていたり、S/PDIFの光デジタル出力があるなど、一般的なオーディオインターフェイスとはちょっと異なる仕様になっているのです。調べてみるとわかると思いますが、このDigizo、ネットショップなどで7,480円で売られていますが、12月19日まではDTMステーション読者限定で5,490円という低価格でのセール展開がされています。さらにSOUND FORGE Audio Cleaning Lab 3とのセットや、SOUND FORGE PRO 15とのセットも割安価格で入手できるので、実際どんなものなのか紹介してみたいと思います。
※2021.12.8 11:00追記
11:00現在、在庫切れで購入できなくなっています。ソースネクストに問い合わせたところ、メーカーに追加発注をし、19日まではこの価格で販売できるようにする、とのこと。メーカー側の在庫もそれほど多くないとの情報ですが、数日中には購入可能な状態になるとのことです。
※2021.12.8 18:00追記
在庫補充され、購入可能になりました。ただ、補充数、それほど多くはないとのことなので、購入を考えている方は、お早目の決済をお勧めします。
※2021.12.10 22:00追記
また在庫切れになってしまったようです。ソースネクストに再度問い合わせたところ、なんとか補充するとのことですが、土日は動けないため、週明け12月13日(月)になってしまう、とのことです。
※2021.12.13 13:00追記
在庫切れ解消したようですが、やはり数は少ないので、今後も売り切れてしまう可能性は高いようです。

オーディオ機器との入出力を可能にするオーディオキャプチャーユニット、PCA-HACU(Digizo)

このDigizoはWindows、Macはもちろん、iPhone/iPad、Androidでも利用できるオーディオ入出力機器です(iPhone/iPadではLightning-USBアダプタ、AndroidではOTGケーブルが必要となります)。WindowsやMacであればUSBで接続すれば、ドライバも不要でUSBバスパワーで動作して、すぐに使えるUSBクラスコンプライアントなデバイスとなっています。

手のひらに乗るコンパクトなサイズのDigizo

写真を見てもわかる通り、「Hi-Res AUDIO」というハイレゾのロゴシールが貼ってあり、この辺からもユーザーターゲットがDTMとはちょっと違うんだな……というのが感じ取れるのではないでしょうか?

PC側から見れば、ごく普通のオーディオインターフェイスともいえるのですが、DTMで用いるオーディオインターフェイスとは入力も出力もちょっと違うのです。トップパネルを見てみると信号の流れが▼印で表されており、どちらが入力でどちらが出力なのかが分かるようになっていますが、まずは入力のほうから見ていきましょう。

Digizoの入力端子。左からRCA、3.5mmステレオミニ

左側にあるのが金メッキされたRCA端子で、オーディオのライン信号を入力するところです。一般的な家電のライン出力であれば、何でも接続可能です。そして、その隣にあるのが3.5mmのステレオミニ端子。ここにも各種オーディオ機器、またスマホなどと接続することも可能です。

このRCA端子と3.5mmのステレオミニ端子、PC側からは別の入力として見えるようになっています。Windows 11で見た場合、RCAのほうが「ライン(Digizo Hi-Res Audio Capture Device)」、3.5mmのほうが「マイク(Digizo Hi-Res Audio Capture Device)」となっています。ただし、これはWindows上の表記であり、実際には3.5mmの信号はマイクではなく、ラインですね。

入力は2系統見える

そしてユニークなのは、その右に小さな穴がある点。実はこれ、クリップの芯などを使って突つくスイッチになっているんです。通常は、オフの状態になっていますが、ここを突いてオンにすると、内部のフォノイコライザ回路がオンになり、先ほどのRCA端子への入力にレコードプレイヤーの出力をそのまま接続できるようになるのです。

ピンを使ってスイッチを操作することでフォノイコライザのON/OFFができる

ご存じの方も多いと思いますが、レコードプレイヤーはやや特殊なオーディオ信号が出力されるため、そのままアンプから音を出しても本来の音にならないのです。そこでフォノイコライザというものを通すことで、本来の音になるわけですが、そのための回路がDigizoの中に入っているのです。

もっとも最近のレコードプレイヤーの場合、レコードプレイヤー側にフォノイコライザを装備し、普通のライン信号が出力されるものもあるので、その辺は各自でチェックしたり、実際に音を聴いて確認してみてください。

Digizoの出力ポート

続いて出力側を見てみましょう。反対側に出力端子が3種類用意されています。いずれも同じ信号が出力されるのですが、一番右にあるのはRCA端子でのライン出力です。これを外部アンプなどに接続したり、テレビのAUX入力などに接続してテレビからPCの音を出力させる……といった使い方も可能です。

その左にある3.5mmのステレオミニ端子も、やはりライン出力用です。3.5mmで接続する機材の場合こちらを使うのも手です。また、あまり正しい使い方ではないですが、ここにヘッドホンを接続しても、音をチェックすることは可能です。

S/PDIF光出力にオプティカルケーブルを接続

さらにその隣にあるのがS/PDIF光出力です。オプティカル出力と呼んだり光デジタル…なんて呼び方をするケースもありますが、これをオプティカルケーブルでAVアンプなどに接続することで、音質劣化なく、ノイズの心配もなく外部機器と接続することが可能になるのです。

光出力を使って接続することでAVアンプからも高音質にPCの音を鳴らすことができる

もちろん、このS/PDIF光出力を利用する場合には、そのオプティカルケーブル、つまり光ファイバーケーブルが必要となりますが、量販店などに行けばすぐに手に入りますし、もちろんAmazonなどでも入手することが可能です。なお、S/PDIF光出力も含め、すべての音量はトップパネルにあるノブで調整できるようになっています。

なお、一番左側にあるmicroUSBは補助電源用です。そう、前述のとおり、このDigizoはiPhone/iPadやAndroidでも使うことができるのですが、これらのスマホやタブレットの場合、USBからのバスパワーだけだと動作しなことが多いので、ここに電源供給することで、使うことが可能になります。

microUSBで電源供給することで、iPhone/iPadなどで使うことも可能

さて、そんな入出力を備えたDigizoですが、これにはWindows用の強力な編集ソフトが付属しています。それがDTMステーションでもおなじみの国産DAW、Ability Proを開発するメーカー、株式会社インターネットの波形編集ソフト、Sound it! 7 Basicです。

Digizoに標準で付属するSound it!7 Basic

これを使うことで、レコードプレイヤーやカセットテープデッキなどからDigizoに入ってきた音をデジタルデータとしてアーカイブしてくことが可能になるのです。しかも、ここにはイギリスSonnox社製レストレーションプラグインエフェクト、3種類搭載されているという、強力なものとなっています。

Sound it!7 BasicはWindows専用だが、SonnoxのDe-Buzzerなどのレストレーションン機能を装備している

具体的にはハムノイズを除去するDe-Buzzer、レコードのプチプチノイズなどを除去できるDe-Clicker、そしてヒスノイズなどを除去するDe-Noiserのそれぞれ。これらをうまく活用しながら、作業していくことで、手持ちのレコードやカセットテープなどをキレイな音に整えて、WAVやMP3などで保存することが可能なのです。

レコードノプチプチノイズなどをキレイに取り除くことができるSonnox De-Clicker

そんなSound it!7 Basicが標準で付属するDigizoではありますが、レコードやカセットをデジタル化するという面では、より高性能、高機能なSOUND FORGE Audio Cleaning Lab 3というソフトをセットにした製品も用意されています。

そのAudio Cleaning Lab 3もWindows専用のソフトですが、やはりハムノイズ、ヒスノイズ、クリップノイズなどを除去する強力な機能を備えているほか、iZotopeのノイズ除去ソフト、RX 8 Elementsも付属しているので、より簡単に、高性能にノイズを取り除くことが可能です。

さらにそのiZotopeのOzone 9 ElementsというソフトもSOUND FORGE Audio Cleaning Lab 3の中に含まれています。これを使うことで、取り込んだ音をリマスタリングすることが可能で、古い楽曲でも、現代風な音圧のある作品に仕立て直す……なんてことも簡単にできるのです。

ドイツMAGIXのAudio Cleaning Lab 3を使うことで、より効率的にアナログ素材のデジタル化ができる

また、取り込んだ音を整えたり、音を積極的に加工するためのwizardFX Suiteという機能なども備わっているので、いろいろな使い方ができそうです。

そして、もうひとつDigizoとSOUND FORGE Pro 15とのセットというものも用意されています。SOUND FORGE Proについては、これまでもDTMステーションの記事で何度も紹介しているので、ここでは詳細は割愛しますが、まさに波形編集ソフトの頂点に立つソフト。通常価格が38,500円(税込)というソフトですが、それがDigizoとのセットで14,800円なので、激安といってもよさそうです。

波形編集ソフトの最高峰であるSOUND FORGE Pro 15とセットでの購入も可能

単体で買うか、セットで買うかは人によって違うと思いますが、この機会にこうしたオーディオキャプチャユニットを1つ入手しておいても損はないと思います。

【関連情報】

ハイレゾUSBキャプチャーオーディオユニットDigizo製品情報

【価格チェック&購入】
◎ソースネクスト ⇒ ハイレゾUSBキャプチャーオーディオユニットDigizo
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