ドイツの音響機器メーカーSENNHEISER(ゼンハイザー)から、手軽にいい音で配信を行うためのピンマイクXS Lav MobileとXS Lav USB-Cが発売されました。これは、スマホやPCに直接接続するタイプのマイクで、接続の仕方によって2製品に分かれています。XS Lav Mobileはスマホやタブレットと3.5mm TRRSで接続するタイプのもの、一方XS Lav USB-CはUSB-Cコネクタを搭載したデバイスに接続して使用できるというもの。SENNHEISERのマイクということもあって、とらえる音はクリアで、接続すればすぐ使えるので、ビデオ会議などでも活用できます。
またいずれもオープン価格ですが、実売価格を見るとXS Lav Mobileが6,930円程度(税込)、XS Lav USB-Cが7,920円程度と手頃な価格帯なのも魅力的。さらにXS Lav USB-C Mobile Kitという、XS Lav USB-CとスマートフォンクランプとマンフロットPIXIミニ三脚がセットになった製品も販売されています。圧倒的な手軽さを誇る、XS Lavシリーズを試してみたので、紹介していきましょう。
SENNHEISERはご存知の通り、音楽業界を支える音響機器メーカー。1945年に前身のLabor Wを設立して以来、今年2020年で創業75周年(今年2021年で76周年)を迎えています。設立以降は「クジラ」という愛称で長年レコーディング業界で使用されているダイナミックマイク「MD 421」や放送業界で使用されている定番のガンマイク「MKH 416」など、業界で使用され続けている名機たちを世に送り出しています。さらに、1968年には世界初の開放型ヘッドホンHD 414を開発し、累計1000万個以上売り上げ、現在はプロが使用するヘッドホンを多数リリースしています。その中でもHD 600やHD 25など、世界的ロングセラーモデルを輩出していたりと、プロ・アマ問わず音楽に関わっているのであれば、1度はSENNHEISERの製品を手に取ったことがあると思います。
またスタジオで使われる機材以外にも、テレビ、配信、ライブ……などで使用されるワイヤレス製品も揃っており、ワイヤレスマイクやワイヤレスピンマイクたちも、確かな音質で定評があります。そんなSENNHEISERから夏に発売された、XS Lavシリーズは、PCやスマホに直接接続して使えるピンマイクとなっており、配信やナレーションなどの声の録音、インタビュー、Vlog、YouTubeの撮影……など、簡単に収録したいけど、いい音質でも取りたりという希望にピッタリな製品となっています。業務用のピンマイクを発売しているだけあって、ものがよく、しっかりと音を拾うことができます。プロ向けの製品を作る技術をコンシューマー向けに活かしたといえるクオリティです。
配信で使用するマイクとしては、USBマイク、オーディオインターフェイスとマイクの組み合わせが、ほかにも候補に挙げられると思います。USBマイクは、その名前の通り接続端子がUSBになっており、PCに直接繋げれば使用可能。中にはDSPを内蔵している機種もあり、声にエフェクトやリバーブをPCに負担なく掛けることができます。PCに直接繋げれば使用できるため、ゲーム配信者など、PCから配信しているユーザーが多く使っている印象です。また、オーディオインターフェイスとマイクの組み合わせは、従来の音楽制作環境と近いため、音楽系の配信をしている方は、この組み合わせを選択している人が多いです。オーディオインターフェイスとマイクをそれぞれ組み合わせられるので、選択の幅が広く、配信だけではなく、いろいろなことをこのセッティングでは行うことができます。
USBマイクは、手軽だけど使用用途は少し限られており、オーディオインターフェイスとマイクは少しセッティングに時間が掛かるものの使用用途の幅は広いといったところでしょうか。一方、XS Lavシリーズのようなピンマイクはというと、USBマイクに属性は近く、圧倒的に手軽で、さらに場所も選ばないが、使用用途は限られているといえます。なので、どんなスタイルで配信するかによって、どんな機材を導入するかが決まってくると思います。USBマイクやオーディオインターフェイスとマイクの組み合わせだと、どうしてもマイクを設置しないといけないので、セッティングする場所が必要になってきます。その点、ピンマイクは取り回しが楽なので、たとえばスマホ一台で配信している方は、音質のクオリティアップのために、据え置き型の機材を導入するよりは、ピンマイク型の機材を導入するのが、おすすめといえますね。
では、具体的にXS Lavシリーズについて見ていきましょう。冒頭でも紹介したように、XS Lav Mobileはスマホやタブレットと3.5mm TRRSで接続するタイプで、XS Lav USB-CはUSB-Cコネクタを搭載したデバイスに接続して使用できるようになっています。ものとしては非常にシンプルな構造となっており、PCやスマホに接続したピンマイクを胸元に装着して使用します。
音質は、なんの問題もなく、クリアに音を収録することができます。またケーブルの長さは2mとなっており、長すぎることも短すぎることもなく、ちょうどいいんですよね。シンプルに音質に改善に効果を出したい方にとってはピッタリ。
実際にXS Lav USB-CをPCに接続してみると、入力デバイスにマイク(Sennheiser XS LAV USB-C)と表示されます。WindowsPCに接続してみたのですが、接続したら2秒ほどで内蔵マイクからXS Lav USB-Cにマイクが切り替わり、これでセッティング完了。あとは、ソフトによっては入力をXS Lav USB-Cに設定する必要がある場合もありますが、圧倒的に簡単です。
一方、XS Lav Mobileを同じWindowsPCに接続してみました。この場合だと、もちろんPC側がデバイスの詳細を認識することはないのですが、外部マイクとしては認識され、同じく接続したら2秒ほどで内蔵マイクからXS Lav Mobileに切り替わります。
さらにXS Lav Mobileを手持ちのiPhoneに接続してみました。接続は、Apple Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタを介してXS Lav Mobileを繋いでいます。接続するとほぼ同時にXS Lav Mobileへマイク入力が切り替わります。ちなみに配信アプリ以外の音楽制作アプリでも使うことも可能ですよ。
試しにXS Lav USB-Cを接続した状態で、DAWのStudio Oneを起動してみました。オーディオの入力を確認してみると、ちゃんと認識していることが分かりますね。ここで見てみると、マイク(Sennheiser XS LAV USB-C)1、マイク(Sennheiser XS LAV USB-C)2と表示されています。そのため、たとえば、簡単にボイスメモを取ったり、ナレーションの録音なんかは手軽で便利かもしれないですね。
ちなみに付属品はというと、マイクに付ける風防とクリップ、それからポーチが付いてきます。このポーチにXS Lav MobileやXS Lav USB-Cを入れて持ち運べば、いつでもどこでもいい音質で声を収録することができますよ。
以上、XS Lav MobileやXS Lav USB-Cを紹介しました。ピンマイクを付けるだけで、聞き取りやすい声を収音できますし、なにより手軽なのが魅力。音質も声が聞き取りやすいようにチューニングしているので、配信やナレーションなどの声の録音、インタビュー、Vlog、YouTubeの撮影……などにピッタリですね。3.5mm TRRS端子を備えたカメラであれば、直接これを繋いで使用することもできます。なお、TRRS接続の場合、ジャック端子からの音声出力は無効になるので、双方向通信が必要な場合はXS Lav USB-Cということになりそうです。この辺もしっかり検討した上で導入してみてはいかがでしょうか?
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XS Lav USB-C Mobile Kit
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