DTMで使う定番のモニタースピーカーとして、必ず名前が上がるYAMAHAのHSシリーズ。業務用の世界で長年、標準モニターと言われてきたNS-10Mのデザインを踏襲したカッコよさを持ちつつ、低価格で、確かなクオリティであると定評があるため、これを使っているDTMユーザーもかなり多いと思います。ラインナップは、8インチのHS8、6.5インチのHS7、5インチのHS5が存在しており、今までのカラーバリエーションは黒か白のどちらかでした。
その中で国内で圧倒的に売れている5インチモデルのHS5に、今回数量限定という形ではありますが、スレートグレーという新色が登場しました。もちろん、どのカラーがいいかは好みの問題ではありますが、このスレートグレーは生産数が限られているから、売切れたらそれで終了。今回その新色HS5を試してみたのですが、YAMAHAとDTMステーションのコラボ企画として、この製品をそのままDTMステーション読者へプレゼントできることになりました。そのプレゼント企画の詳細も含め、改めてYAMAHA HS5とはどんなモニタースピーカーであり、どんな使い方ができる機材なのかを紹介するとともに、新色スレートグレーは従来モデルと比較して何が違うのか、見ていくことにしましょう。
YAMAHA HSシリーズ、そのHSは、当初から自宅スタジオ、DTM環境で使うことを想定して作られたモニタースピーカーでした。そのHSシリーズの現行製品で、5インチモデルのHS5は、比較的エントリーレベルのユーザーを対象に開発されたという背景があり、価格もリーズナブル。デザインは、伝説のモニタースピーカーNS-10Mの見た目を引き継いでいることから、世界的にも人気が高いモデルとなっています。
HSシリーズが誕生した経緯を簡単に説明すると、もとは通称「テンモニ」「テンエム」と呼ばれ、世界中のレコーディングスタジオの標準モニタースピーカーとして広く使われてきたNS-10Mから始まります。NS-10Mは、そこから派生したNS-10M STUDIO、NS-10M PRO、NS-10MC、NS-10MXなども合わせ、現在でも多くのスタジオで目にする、レコーディングスタジオの象徴的なモニタースピーカー。
ただ、NS-10Mシリーズを生産するためのパーツが入手困難になったことから2000年代に入って生産完了に。その後継としてほぼ同時期に登場したのが、MSPシリーズとHSシリーズでした。DTMユーザーにとって、HSシリーズは、まさに定番のモニタースピーカーとして国内外を問わず広く普及していったのです。実際、DTMステーションが行った昨年のアンケート結果でもYAMAHAのモニタースピーカーがトップシェアとなっていました。
一方で、だいぶ以前に「モニターするのにヘッドホン:スピーカー、どんな比率で使ってる?」というアンケートをした際、ヘッドホンのみと答えた方が2割程度いたので、おそらく、読者のみなさんの中にもモニタースピーカーを持っていないという人は、それなりの数いると思います。
確かに、狭いDTM環境だとスピーカーを置くスペースもないでしょうし、アパートやマンションなどの集合住宅だと、スピーカーで音を出すこと自体が憚られるケースも少なくないと思います。また音を細かくチェックするなら、まさに耳元で高解像度で音を聴くことができるモニターヘッドホンが有用ですが、自分だけでなく、他の人にも聴いてもらう音楽を作る上で、モニタースピーカーは必須のアイテム。やはりヘッドホンだけではわからないことがたくさんあるからです。
たとえば耳元で音を聴くのと、前から出る音を聴くのでは、バランスがまったく変わってくるので、どちらで聴いても気持ちよく聴こえるようするのは絶対条件。また極論すると、左右で逆相の音を出した場合、ヘッドホンだと聴くことができますがスピーカーから出すと音が消えてしまうなど、やはりモニタースピーカーを使ってチェックすべきことはいっぱいあるのです。爆音で聴くことは、環境的に無理だとしても、やはり音をチェックする上でモニタースピーカーは必要であり、そんなモニタースピーカーのエントリーモデルの定番がHSシリーズというわけなのです。
やや前置きが長くなりましたが、今回限定発売されているHS5SG(スレートグレー)について見ていきましょう。もともとHS5は、エンクロージャーと呼ばれるケースの部分が、木に塗装しているわけではなく、シートを張り付ける形で生産されています。そのシートのカラーリングによって、HS5は黒、白の2色のモデルが存在していたわけですが、この度スレートグレーが誕生しました。基本的な構造部分であるウーファーやツイーター、木材含め、シートのカラーリング以外は、使っている部品、仕様は完全に同じだから音もまったく変わりません。そのため、どちらの色が好きか、ということで選ぶことになります。ちなみに黒色の手触りは、ざらっとしているのに対し、スレートグレーはツルっとしていますよ。
というわけなので従来のHS5とカラーリング以外の違いはないのですが、せっかくなので改めてHS5について、どんなモニタースピーカーなのか紹介していきましょう。HS5は、5インチウーファーと1インチドームツイータを採用した2ウェイバスレフタイプのモニタースピーカーで、再生周波数帯域54Hz~30kHz(−10dB)。サイズは、170(横)×285(縦)×222(奥行)mmと、自宅用のモニタースピーカーとしてちょうどいいサイズ感をしています。重量は、1本あたり5.3kgで、比較的重くもなく軽すぎでもないですね。
また、公式ページ(https://jp.yamaha.com/products/proaudio/speakers/hs_series/features.html#product-tabs)を見てみるとツイータやウーファー、パワーアンプ、エンクロージャーの設計、バスレフ……など、技術的にこだわり抜かれているのが分かるのですが、重要なのはその出音ですよね。楽器店などに行くことができる環境であれば、ぜひお店で試聴していただきたいのですが、HS5はモニタースピーカーであるため、とてもフラットな出音をしています。実際に聴いてみるとYAMAHAのスピーカーらしい音であり、3~4kHzくらいに特徴がある、スッキリ目なサウンド。この価格帯の中では、非常にしっかりしたいい音で、いろいろな音楽ジャンルの制作に向いていると思います。定位感や奥行き感など分かりやすく、音を1つ1つモニタリングできますし、エフェクトの掛かり具合も分かりやすいです。
設置する際に壁の近くに置くと、低音域が強調されてしまう場合があるのですが、そんなときにはリアにあるROOM CONTROLを使ってローを調整することができます。ROOM CONTROLはいわゆるローカットスイッチで-2dBまたは-4dBすることができ、±2dBのHIGH TRIMが付いているので、これを使って高音域を微調整することもできます。
入力はXLRのバランスタイプまたは標準フォンが挿せるようになっていて、スピーカーの音量をLEVELで調整することができます。
そんなHS5、黒、白、そしてスレートグレーの3色が揃ったわけですが、スレートグレーは数量限定なので、なくなったらそれで終了。前述のとおり、色以外は形も音もすべて同じですから、どれでもお好きなものを…というところですが、スレートグレーがいいと思ったのなら、無くならないうちに、早めに入手しておいたほうがよさそうですね。
さて、そのHS5のスレートグレーモデルを1ペア、DTMステーション読者の方に抽選でプレゼントいたします。実際に、プレゼントするのは、この記事のために撮影したこの機材。動作確認のため音は鳴らしましたが、ここで新品を開封して、撮影しただけなので、もちろんキレイな機材です。応募方法は以下のとおり。発表は抽選後に、このページで行う予定です。ぜひ、奮ってご応募ください。
HS5SGプレゼント企画・応募方法
1.「Twitterアカウント@dtmstationをフォロー」または「DTMステーションFacebookページにいいね」
2.「DM」または「メッセンジャー」で応募
応募する際は、以下の内容を記載してください。
・年齢
・使用しているDAW
・使用しているモニタースピーカー
・使用しているモニターヘッドホン
・DTMステーションに対するメッセージ
※使用しているDAWやモニタースピーカー、モニターヘッドホンがない場合は「無し」と書いていただければ大丈夫です。
応募締切:10月9日24時
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