ミュージシャン、DTMerなら、常時持ち歩くべき!小さなリニアPCMレコーダー、ZOOM H1nは絶対便利!

リハスタでの演奏を録音”、“ライブハウスでの演奏を録音”、“この場のいい雰囲気を録っておきたい”、“ちょっと思いついたフレーズを録る”、“雑踏を音で記録したい”……、音を録音しておきたいというシーンはよくありますよね。最近ならスマホでもある程度のことはできますが、音質的に悪かったり、モノラルでしか録れなかったり、電話がかかってくると台無しになったり……といろいろ問題もあります。そんなとき、やはり専用のリニアPCMレコーダーがあると圧倒的に便利です。

 

とはいえ、わざわざ重たいものを持ち歩くというのは邪魔だし、操作が難しいと「いざ」というときにすぐに録れずに役立ちません。でも、先日発売されたZOOMH1nというのがたった60g(単4電池2本を入れても84g)と超軽量ながら、高音質なX-Y型コンデンサマイクを搭載し、24bit/96kHzでの録音が可能で、しかも価格は13,500円前後と手ごろ。このサイズ、大きさならカバンに入れて持ち歩いてもほとんど気にならず、必要なときに取りだして、すぐに録音できちゃうから、とっても便利なんです。しかも重ね録り機能も装備している点は、音楽制作者にとっては見逃せないポイント。実際、どんな機材なのか紹介してみましょう。


先日、発売されたZOOMの小型リニアPCMレコーダー、H1n


リニアPCMレコーダー自体は、いまさら珍しいものではありません。このH1nのメーカーであるZOOMはもちろん、Roland、TASCAM、OLYMPUS、SONYなどさまざまなメーカーが出していて、製品数的にはかなりの数のものが販売されています。いわゆるICレコーダーとは異なり、高音質なマイクを装備し、非圧縮のWAVでレコーディングできる音楽用途であるのが特徴ですね。

 

ただ各社、性能競争が進んだこともあり、結構ゴツイ、大きな機材が多くのなっているのも事実。まあ、スマホでもある程度のことができるから、それとの差別化という面もあったとは思うのですが、普段持ち歩くのなら、やはり小さいと嬉しいところですよね。そんな中、登場したH1nはとにかく軽くて便利なんです。

前モデルのH1(左)と新モデルのH1n(右)

実はH1nには前モデルのH1というものがあり、これも世界的に大ヒットした製品でした。並べてみるとサイズ的にも機能的にも近いのですが、実際に使ってみると、いろいろと進化しているんですよね。もちろんH1についてご存知ない方も多いと思うので、改めてこの新機種H1nについてひとつずつチェックしていきましょう。


iPhone X(左)とH1n(右)

 

H1nはやや縦長ではあるものの、とにかく軽い。iPhone Xと並べてみると大きさの雰囲気がわかると思いますが、iPhone Xが174gに対して60gですからね…。それでもこのX-Yマイクは、かなりしっかりしたもので、とても立体的にステレオサウンドを収録できるのも感心するところ。最大120dB SPLの耐音圧があるので、爆音の鳴るライブハウスでも歪むことなく、しっかり録ることができますよ。


X-Yマイクをスッポリと囲む形のガードがある

H1と比較してマイクを囲むガードが全方位的になり、乱暴に扱ってもマイクにダメージを与えることがなくなったというのもポイントです。


右サイドからmicroSDを入れる形になっている

録音するのはマイクロSDで、本体の右サイドから挿入。これを抜き差しして録音したWAVファイル、MP3ファイルをPCに取り込むことも可能ですが、microUSB経由でPCと接続して、データ転送することも可能になっています。


PCと接続すると、オーディオIFとして使うか、カードリーダーとして使うかの選択肢が表示される

ちなみにすごいオマケ機能として、このmicroUSBでWindowsやMac、またiPhone/iPadと接続した際、H1nはオーディオインターフェイスとして使うことが可能になるんですよ!ただし、この場合は44.1kHzまたは48kHzでの動作で96kHzには対応しないようですが、それでも簡易的なオーディオインターフェイスを持ち歩けるって、すごくないですか?


Windowsからは普通のUSBオーディオインターフェイスとして見えた

このオーディオインターフェイスとなったときは、通常はオーディオ入力としてステレオのX-Yマイクが使われますが、ステレオミニ端子でライン入力および外部マイク入力もでき、ヘッドホン出力兼ライン出力の端子もあるので、まさにオールマイティーなオーディオインターフェイスとして使うことができますよ。


英語と日本語の表示選択ができる

さきほどの液晶表示からも分かるとおり、日本語での表示がされるというのも、使い勝手という面では安心するところ。もちろん「レコーダーは英語表記がいい!」という人もいると思いますが、設定で言語選択も可能になっていますよ。

さて、一番重要なのはそのレコーディング機能ですが、電源を入れて、真ん中の赤いボタンを押せば即、録ることが可能というシンプル操作です。リニアPCMレコーダーでいい音で録るためには、入力レベルの調整が大切になりますが、それはマイクのすぐ下にあるノブで調整できるようになっています。これがロータリースイッチタイプではなく、アナログっぽいボリュームになっているのもポイント。前機種のH1では、入力レベルをボタンで操作する形になっていたのに対し、断然使いやすい感じですよ!


録音フォーマットは24bit/96kHzに設定できるほか、各種フォーマットに変更可能

なおレコーディングフォーマットについては、前述の通り、最高で24bit/96kHzのWAVで録ることができるのですが、ほかにも以下のフォーマットが用意されており、ボタン一つで切り替えることが可能となっています。


ボタン一つでLo-Cutの設定などが可能

そう、実はこのH1nを使ってみて驚くのは、メニュー操作がなく、ボタン一つで設定変更ができてしまうこと。液晶ディスプレイの下に4つのボタンがあり、これでフォーマットの切り替えやLo-Cutの設定、リミッターのON/OF、オートレベルのON/OFFなどができるようになっているんです。このLo-CutはOFF、80Hz、120Hz、160Hzの4段階での設定となっていますよ。


リミッターを装備したのも重要なポイント

やっぱり突発的に大音量が入るということはありますからリミッターが使えるというのも大切なところ。iPhoneのボイスメモとかだと当然そんなことできませんからね。また外で録音しているときなどはエアコンの動作音だったり、飛行機のジェット音など、重低音が気になることがありますが、その辺を細かく設定できるのもうれしいところ。この辺もH1からH1nになって強化されたポイントです。

 

ちなみに液晶は前機種のH1ではオレンジのバックライトであったのに対し、H1nはホワイトのバックライトとなり、より明るくなったため視認性も向上しています。


フロント部にはスピーカーが埋め込まれている

実際、レコーディングしてみると、本当にリアルなサウンドで、高品位なサウンドで録ることができて感激できますよ。録った音は、ヘッドホンを接続してしっかりチェックできるほか、簡易的な確認であれば、フロントにある小さなスピーカーで聴くことができるのも便利ですね。


オーバーダビングも簡単にでき、曲のアイディアを膨らませることができる

さらに、冒頭でも少し触れたとおり、録音した音に対してオーバーダブできるのも、ZOOM H1nの特徴です。使い方は簡単で、録音したファイルを選び、プレイボタンを押しながら、RECボタンを押すことで、重ね録りできるようになるのです。ギターの伴奏に、歌を重ねたり、ベースを加えたり、曲作りのアイディアを手軽に試すことができます。元ファイルを残す非破壊方式を採用しているため、失敗を気にせず何度でも録り直すことができます。

さらに録音ファイルの倍速再生やスロー再生が行える、再生スピード可変機能を内蔵しています。ピッチを変えずに再生スピードのみを調整でき、楽器の練習や耳コピ、インタビューの文字起こしにも便利ですね。

Cubase LEとWaveLab LEのダウンロードコードが同梱されている

さらに自宅に戻ったらPCと接続して取り込んだ上で波形編集ソフトで処理したり、DAWで他の音と組み合わせて構築していくというのもいいですね。そのPCとの連携という面で驚くのは、H1nにSteinbergのCubase LE 9.5とWaveLab LE 9が付属しているということ。いずれもライセンスコードが入っていて、これをSteinbergサイトからダウンロードするという形ではありますが、まさに至れり尽くせりという感じです。


アクセサリパックのAPH-1n

そのほかオプションとしてケース、ウィンドスクリーン、三脚、マイクスタンドに取り付けるクリップアダプタ、ACアダプタ、microUSBケーブルをセットとしたアクセサリパックAPH-1nというものも2,500円程度で販売されているので、セットで買っておくと便利かもしれませんね。

【関連情報】
H1n製品情報

【価格チェック&購入】
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