一世風靡したM-AUDIOのコントローラ搭載MIDIキーボード、OXYGENは今も健在。61鍵タイプで19,800円と手ごろに

M-AUDIOOXYGEN(オキシジェン)と聞いて、「なんか懐かしい!」と思う人も少なくないと思います。10年ほど前にDTM用のMIDIキーボードとして一世風靡した製品ですが、その後も徐々に進化を続けており、会社がinMusicになった現在、すごく手ごろな価格で発売されていたんですね。61鍵、49鍵、25鍵の3タイプがあるのですが、たとえばAmazonの値段で見ると61鍵でも19,800円(税込み)49鍵なら12,960円という低価格です。

なんとなくフル鍵盤のキーボードって高価だというイメージがありましたが、最近のUSB-MIDIキーボードってこんな手ごろなものになっていたんです。写真からも分かるとおりOXYGENは単なるキーボードではなくコントローラとしても使えるし、リズムパッドなどとしても使える機材。以前、ニコニコ生放送のDTMステーションPlus!でも取り上げたことがありましたが、改めて製品を借りて試してみたので、紹介してみたいと思います。

M-Audioの最新キーボード、OXYGEN 61を使ってみた



今回借りたのは61鍵タイプのOXYGEN 61。「フルサイズ・シンセアクション・キーボード」と記載されている通りで、鍵盤のタッチが軽いいわゆるライトウェイトと呼ばれるタイプのものですね。

61鍵 3.4kgのOXYGEN 61

WindowsやMacとの接続はUSBケーブル1本でOKで、この大きさではあるけれどUSB電源供給となっているので、ACアダプタなどが不要なのも便利なところです。61鍵サイズだとさすがに結構な大きさとなるため(サイズ:約977 x 243 x 94mm)、パソコンデスクに置くのは多少無理がありますが、OXYGEN 61の重量が3.4kgと軽いので、演奏するときだけデスクの上に置くという使い方もありそうですね。

49鍵 2.9kgのOXYGEN 49
ちなみに49鍵のOXYGEN 49は約814 x 243 x 94mmで2.9kg、25鍵のOXYGEN 25なら約492 x 243 x 94mmで1.8kgですから、用途に応じて選択してみるといいと思います。

発売されたばかりの25鍵モデルのOXYGEN 25

これらの写真を見てみるとわかる通り、OXYGENシリーズは鍵盤だけでなく、コントロールサーフェイスとしても使えるのが大きなポイントとなっており、いろいろなボタンやフェーダー、ツマミなどが並んでいます。

OXYGEN 61、OXYGEN 49に9つ装備されているフェーダーがOXYGEN 25だと1つしかない
また見比べるとわかる通り、OXYGEN 61とOXYGEN 49のボタン、フェーダー、ツマミなどの数は一緒ですが、OXYGEN 25だけはスペースの関係もあって、フェーダーやボタンの数が少なくなっていますので、ここも選ぶ際のポイントにはなりそうですね。では、もう少し具体的に見てみましょう。

ドラム音源を叩くのに便利な8つのパッド
まず右側に8つならぶパッドは、ドラムなどを叩く際に利用できるパッドです。シリコン・ラバー素材になっていて、気持ちよく叩くことができ、叩くとオレンジ色にLEDが点灯する構造です。もちろんベロシティー感知が可能なので、強く叩くのと弱く叩くので、音のニュアンスが変わってきます。また、この8つのパッドはC1、D1、F#1、A#1、D2、A1、D#2、C#2という配列になっているので、GM配列を利用した一般のドラム音源であれば、これでうまく利用できるようになっています。

各種コントロールに活用できるツマミとトランスポートボタン
では、それ以外のフェーダー、ボタン、ツマミはどのようにして使うのでしょうか?まあ、見ての通りのものなので、これでDAWをコントロールするのに使います。フェーダーでミキサーを動かしたり、フェーダーの下のボタンでそのトラックをミュートしたり、ツマミでPANをいじったり……といったことを行うわけです。

ただし、問題はこれをどうやってDAW側に割り当てるかというのが、この手のコントロールサーフェイスで一番ネックとなるところです。ほかのコントロールサーフェイスと同様、フェーダーやツマミを動かすとMIDIのコントロールチェンジの信号が出る仕組みですから、DAWがの設定によって手動で1つ1つ割り当てていくことは可能です。

でも、それでは割り当て作業がなかなか面倒なのも事実。できれば、すぐにフル活用したい……と思うところですが、そのためにMーAUDIO独自のDirectLink機能というものが用意されているのです。

AUTOボタンをオンにしてDirectLinkモードにする
そう、このDirectLinkのAUTOボタンをオンにすると、CubaseAbleton LivePro ToolsReasonLogic Pro XApple GarageBandのそれぞれですぐに使えるようにマッピングされる仕掛けになっているのです。ただし、これを使えるようにするためには、事前にDAW側でのいくつか設定しておくことがあるので、設定マニュアルを見ながら行うようにしてください。

Cubase 5フォルダにインストールされてしまうOxygenCubaseDirectLink.dllファイルを移動させる

その設定の中で一つやや分かりにくかったのがCubaseです。Cubaseで使うためにはM-Audioサイトで配布しているDirectLink for Cubaseというソフトをインストールする必要があるのですが、これがCubase 5用となっているため、インストール先がCubase 5のフォルダになってしまうのです。このままではうまく動作しないので、これをCubase 9フォルダなど、現在使っているCubaseのフォルダに移し替える必要があるのです。


Cubaseのデバイス設定にM-Audio Oxygenが出てくるので、これを追加する

この辺も設定マニュアルに記載されていますが、こうした作業をすることで、各種DAWで快適に使うことができるんですね。

DAWであるAbleton Live 9 Liteがバンドルされている
さて、ここでもう一つ紹介しておきたいのが、OXYGENシリーズにバンドルされるソフトウェアについてです。そう、低価格なキーボードではありますが、ここに3つのソフトウェアがバンドルされているのです。

MIDIの設定画面でOxygen 4th Genを指定すれば、DirectLinkボタンで使えるようになる
その1つ目はDAWであるAbleton Live 9 Liteです。「CubaseやLogicなどを使っているけれど最近Liveに興味があって……」なんて声を最近よく聞きますが、これはAbleton Live 9のエントリー版という位置づけ。Ableton LiveがどんなDAWであるかを試すにはピッタリのソフトですし、もちろんOXYGENシリーズのDirectLink機能で各コントローラは簡単に割り当てることができるので、即フル活用することができますよ。

Pro Toolsの標準音源としても知られているXPAND!2もバンドルされている
さらに、ソフトウェア音源が2つ付属しています。その1つがAIR Music TechnologyXPAND!2です。これは以前にDTMステーションでも何度か取り上げたことがある音源であり、Pro Toolsに標準音源として入ってくることでも知られマルチ音源です。これはWindowsのVSTおよびAAX、またMacのVST、AU、AAXに対応しているので、どんなDAW上でも便利に使うことができますね。

スペクトラル・モーフォング・シンセサイザのTWIST
もう一つがSONiVOXのTWISTというシンセサイザ音源です。これはスペクトラル・モーフォング・シンセサイザというちょっとユニークなシンセサイザ。200以上のファクトリープリセット音色が用意されているほか、5つ並んだ大きなノブを回していくだけで、モーフィングするように音色を自在に変化させていくことがで、適当に触っていても音作りをすることが可能な音源です。一般的なアナログシンセ・モデリングとはだいぶ変わった雰囲気ですが、なかなか楽しいですね。これもXPAND!2と同様、各種プラグインフォーマットで利用することができます。

以上、M-AUDIOのOXYGEN、3機種について紹介してみました。この価格で、これだけのことができれば十分過ぎる内容だと思いますが、いかがですか?軽いけれど、実際に触ってみると、かなりしっかりしたボディで、弾き心地もすごくいい感じです。「コントローラ付きの鍵盤が欲しかった」「最近キーボードの買い替えを考えていて……」なんていう方は検討してみる価値はあると思いますよ。

※追記 2017.5.27
「iPhoneやiPadで使えますか?」というTwitterなどでいただいたので、確認してみました。電源供給のために「Lightning – USB 3カメラアダプタ」が必要になりますが、これを使って試してみたところバッチリ動作してくれました。また各ツマミやボタンはMIDIのコントロールチェンジを自由に割り当てることが可能なので、使いたいアプリに応じてコントロールチェンジの設定を行うことでシンセサイザのパラメータなどを自在にコントロールすることも可能です。


Lightning – USB 3カメラアダプタを使うことでiPadやiPhoneでも使うことができる

【関連情報】
OXYGEN 61製品情報
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【価格チェック】
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