ノートPCとの組み合わせにピッタリ、Bluetoothにも対応する3インチのコンパクトなモニタースピーカー、TASCAM VL-S3BTがいい!

なかなか置く場所がなくて…」、「マンションだから大きい音出せないし…」そんな理由からモニタースピーカーを使わず、すべてヘッドホンだけで音楽制作をしている人も多いようです。確かにモニターヘッドホンだけでも音は聴けて、音楽は作れるけれど、「後でスピーカーで鳴らしたら、想定していたものと、かなり違う音だった」なんてケースは多いと思います。

メインはヘッドホンを使うにしても、やはりDTM環境にモニタースピーカーは用意しておきたいところ。とはいえ、大きなスピーカーはなかなか設置するスペースを確保できません。そんな中、TASCAMが出してきたのは3インチのコンパクトなモニタースピーカー、VL-S3BT。小さいけれど、とってもクリアで解像度も高く、しかも14W+14Wとかなりパワフル。オーディオインターフェイスと接続して利用できるのはもちろんのこと、Bluetooth接続機能を持っているので、iPhoneやiPad、Androidなどと接続して使えるのもとっても便利なところ。実際どんなものなのかを試してみました。


ノートPCとの組み合わせにもピッタリなモニタースピーカー、TASCAM VL-S3BT


上の写真は15.7インチディスプレイのノートPCと組み合わせて設置したのですが、とっても小さなスピーカーであることが分かりますよね。手前に置いているのがiPhone 6sなので、それとの大きさ比較でも、なんとなく分かると思います。


アンプ内蔵のパワードスピーカー、TASCAM VL-S3BT 

ご存じのとおり、モニタースピーカーって、5インチや7インチが主流であり、それより小さいものってあまり選択肢がないんですよね。かといって5インチのモニタースピーカーとなると、それだけでかなりの場所を使ってしまうため、デスクに載せられないというケースも少なくないでしょう。

まあ、モニタースピーカーではなく、いわゆるPCスピーカーと呼ばれるものなら、3インチさらには、それよりも小さなものも数多くありますが、そのほとんどはモニター用として使える代物ではありません。ノイズがひどいもの、思い切りドンシャリなもの、まったく低域が出ないもの……と、音楽制作の観点から見れば、オモチャにも相当しないものばかり、というのが実際のところでしょう。


左が5インチのスピーカー、YAMAHA MSP5 STUDIO、右がTASCAM VL-S3BT

そんな中、登場してきたTASCAM VL-S3BTは、3インチのモニタースピーカーで、とってもコンパクト。私が普段使ってる5インチのモニタースピーカーと比較すると、まさに親子みたいなサイズ感ですよね。サイズとしては110mm(横)×170mm(高)×138mm(奥)となっています。

もちろんアンプ内蔵のパワードスピーカーなわけですが、アンプが入っているのは左スピーカーで、右スピーカーへは付属のスピーカーケーブルを使って接続するようになっています。


高域を担当するツイーター 

前述のとおり、その出力は14W+14Wとなっており、このサイズからは信じられないほどの爆音が飛び出してくるのも楽しいところ。モニタースピーカーなので、普段スピーカー自体で音量調整をするというケースはあまりないわけですが、リアにはボリューム調整ノブがあり、ここ設定しておくことが可能です。MAXにしても音が割れる心配はありませんが、近所迷惑になるので注意してくださいね。


中低域を担当するウーファー 

フロントを見ればわかる通り、2Wayのスピーカー構成で、上部には高域を担当するツイーター、下部には中~低域を担当するウーファーがあり、リアに設置されたバスレフポートによって低音がよりしっかりと出るような構造となっているのです。製品仕様としては80Hz~22kHzをカバー、となっていますね。


TASCAM VL-S3BTのリアパネル 

このリアパネルを見るとわかる通り、入力はステレオミニジャックのINPUT AとRCAピンジャックのINPUT Bの2系統があります。ただ、2つの入力がミックスされるわけではなく、両方入力がある場合はINPUT Aが優先。通常はINPUT BのRCAピンジャック入力にオーディオインターフェイスを接続して利用しつつ、ときどきINPUT AにiPhoneなどを直接接続して音を出す、というのが一般的ではないかと思います。


VL-S3BTにはスピーカー接続ケーブルと、RCAピン-標準フォンジャックのケーブルが付属する

VL-S3BTには2つのスピーカーを接続するスピーカーケーブルのほかに、RCAピンジャックと標準フォンジャックを接続するケーブルも付属しているので、これも便利に利用することができますよ。

さて、このようにVL-S3BTは小さいながらも、便利でかつ、高品位、大音量で鳴らすことができるモニタースピーカーなわけですが、ここにはBluetooth接続機能が搭載されているというのが今どきで、便利なところですね。

実はTASCAMからは、これまでに説明してきたアナログ入力機能だけを持つVL-S3というモニタースピーカーと、今回取り上げているVL-S3BTというBluetooth機能を持ったモニタースピーカーの2種類があります。価格差的には5,000~6,000円程度なので個人的にはBluetooth接続機能付きのVL-S3のほうを断然お勧めしますが、Bluetoothはまったく不要、というのであれば、アナログ接続での音質はまったく同じなのでVL-S3でいいかもしれませんね。


Bluetooth入力か、アナログ入力かはフロントのスイッチで切り替える 

リアパネルから入力されるアナログの音を出すのか、Bluetooth接続の音を出すかは、フロントにあるBluetoothボタンを使って切り替えます。青いランプが点灯すればBluetooth側、消灯しているときはアナログ入力が有効となります。

iPhoneやiPadからはAACコーデックで伝送される

実際、iPhoneなどで接続して聴いてみると、かなり気持ちいい音で鳴らすことができます。「そうはいったって、Bluetoothって音が悪いでしょ…」という人もいるかもしれません。確かに規格上、PCMの音をストレートにすべて送ることはできないのですが、VL-S3BTでは一般的なSBCコーデックだけでなく、aptXコーデック、AACコーデックに対応しているので、かなり高音質で再生することができるのです。

aptXコーデック、AACコーデックとももちろんデジタル伝送であるため、アナログ接続するのと比較して、伝送時での音質劣化やノイズ混入リスクはないため、コーデックでの音質劣化を考えても、かなりいい音で鳴らすことができます。実際、iPhoneをアナログ接続した音とBluetooth接続した音を聴き比べると、S/Nの良さという面でBluetooth接続のほうが、いい音に感じました。

もっともTASCAMとしては「音楽制作用途においては有線接続」、「Bluetooth接続はカジュアルリスニング用」という位置づけでお勧めしているようですね。


iPad/iPhoneのDTM環境用のモニタースピーカーとしてもピッタリ 

TASCAMの製品紹介ページなどを見るとAACやaptXは「低遅延でタイムラグがほとんどない」と書かれています。確かにビデオファイルなどを再生する場合、画像と音声でのタイムラグはほとんど感じませんが、DTMでいうところのレイテンシーで見ると、0.5秒以上あり、楽器演奏用として使えるものではありませんね。ここを求める場合は、やはりBluetoothではなく、アナログで有線接続してください。

以上、3インチのBluetooth接続にも対応したモニタースピーカー、TASCAM VL-S3BTを紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?このサイズなら、モニタースピーカーに抵抗があった人でも、かなり気楽に置くことができるはず。iPhoneでの音楽再生用としても非常に便利に使うことができるのでお勧めですよ!

【製品情報】

TASCAM VL-S3BT製品情報

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