「これからはじめるDTMerのためのやさしい基礎知識」完成しました!

構想3年、制作半年。ようやくDTMユーザー=DTMerのための、オールマイティーに使える入門書が完成し、10月24日より全国書店での発売が開始されます。タイトルは「これからはじめるDTMerのためのやさしい基礎知識」で発行元はサウンド&レコーディングマガジンキーボードマガジンでおなじみのリットーミュージックです。

頭に「これからはじめる」と付けられているものの、中級DTMer、上級DTMerにとっても、きっと役立つことが満載の本になっています。完全に宣伝モードではありますが、この本はぜひ多くの方に読んでいただきたいので、その内容を紹介すると同時に、この本の編集担当であるリットーミュージックの鳥居遷さんとともに、制作の背景などをお伝えしたいと思います。

リットーミュージックからDTMの入門書が誕生です



藤本:本当はもっと早く本が出ているはずだったのに、執筆が遅くなってごめんなさい。というよりも、今回は私が遅かった分、ずいぶん鳥居さんにも書いていただきましたよね。今回の本、Q&Aみたいな感じで分担はしやすかったですが……。

鳥居:この本は、DTMに関する知識を簡単に身につけられるに、テーマごとに区切ったうえで、すべて一問一答の2ページの見開きで完結するような構成にしてみました。全体で8章立ての96項目にありますが、この項目ってこれまでリットーミュージックのいろんなDTM/DAW書籍に対して送られてきた読者の「ここがわからない」という意見を元にしてピックアップしたものなんです。おかげで、範囲は広いですね。


「これからはじめるDTMerのためのやさしい基礎知識」の目次。この記事の一番下に全96項目を記載しています

藤本:私も「THE BEST REFERENCE BOOKS Cubase 7 Series徹底操作ガイド」などを鳥居さんの編集の元、作ってきましたが、結構、多岐にわたる質問が届いていますもんね。それらを中心に、DTMステーションに寄せられる質問などを元に項目出しをしていったわけですが、正直なところ私も苦手な項目もあって、鳥居さんにフォローいただきました。2ページ完結なので、それほど突っ込んだ内容まで書くことはできませんでしたが、これだけ多岐に渡るテーマをすべて理解できている人は、プロでも少ないんじゃないでしょうか?

鳥居:中にはとんでもなく知識豊富なエンジニアやミュージシャンもいますから、何ともいえませんが、アマチュアDTMerの場合、藤本さん並の知識を持った人は少ないと思います。DTMって、見よう見まねでもそれなりに形になりますから、理屈がわからなくてもなんとなく作品になりますよね。でも、理屈がわからないとどこかでスキルの向上が止まっちゃう。


イラストも入れて、なるべくわかりやすく読みやすい構成にしている

藤本:DTMに限ったことではないと思いますが、ある程度のことができても、基礎知識が足りないと限界がきちゃいますもんね。ただこのタイトルを見ると「これからはじめる人」向けに見えるけど、大半のDTMerにとって、かなり役に立つ内容、知らない情報いっぱい載っているんじゃないかな、と。

鳥居:まさにそうだと思います。まあ、なんというか「DTMに関して知っておいた方がい役に立つ、いろんなTIPSの集合体」という感じ。


特定のDAWではなく、鳥居さんデザインの仮想DAW画面が使われている 

藤本:ところで、この本に出てくるDAWの画面、CubaseとかLogicのような特定のものじゃないですよね。画面もそれっぽくて面白いけど、これは編集者としてどういう意図だったんですか?

鳥居:個々のDAWの機能説明は、「徹底操作ガイド」シリーズにまかせて(笑)、この本ではもっと大本の「理屈」の部分を理解してもらおうと思ったからです。そのためには、できるだけ画面例はニュートラルな方がいいと思って、こんな画面を作ってみたのです。だからどのDAWを使っているDTMerでも違和感なく、読めるようになっています。まず全方位対応!


オーディオエディットに関するテクニックなどもいろいろ盛り込んでいる

藤本:私個人的にはオーディオレコーディング&エディット関連のところを、初心者の方にぜひよく読んでもらいたいなと思っていますが、編集担当者としてのイチオシはどの辺ですか?
鳥居:うーん、MIDIプログラミングのところと楽典のところは、限られたページの中でできるだけ大事なことをたくさん伝えようと苦労しましたね。そこだけで1冊本が書けるくらいのテーマですから。

藤本:楽典部分はほぼすべて鳥居さんにお任せでした……、スミマセン(汗)。


MIDIの打ち込みテクニックはかなり多く盛り込んでいる

鳥居:この本は左ページに文章、右ページが図版という構成で作っていったのですが、こうすることで読みやすいというだけでく、もう一つ大きな理由があるんです。まずは書店で並ぶ本なのですが、電子書籍としても出そうと計画しています。もっとも価格的には紙メディアも電子メディアも同じになる予定ですが、どちらでも読みやすいものを選んでいただけたらと思います。

※追記
10月24日、Kindle版が発売されました。こちらはちょっぴり安く1,800円とのことです。


近いうちに電子書籍版も登場の予定!(値段は同じです)

「これからはじめるDTMerのためのやさしい基礎知識」の全96項目
■Chapter 1 制作環境構築編
 DTMerになるために必要となるモノ  8
 PCを選ぶときに押さえておくポイント  10
 DAWソフトを選ぶときに押さえておくポイント  12
 ループシーケンス系DAWソフトも選択肢の1つ  14
 MIDIキーボードを選ぶときに押さえておくポイント  16
 オーディオI/Fを選ぶときに押さえておくポイント  18
 MIDI音源を選ぶときに押さえておくポイント  20
 マイクを選ぶときに押さえておくポイント  22
 スピーカーを選ぶときに押さえておくポイント  24
 ヘッドフォンを選ぶときに押さえておくポイント  26
 ボカロとDAWソフトの相性は?( Windows版)  28
 ボカロとDAWソフトの相性は?( Mac OS版)  30
 PCとiOSデバイスの使い分けについて考えてみた  32
■Chapter 2 制作準備編
 プロジェクトを立ち上げたらすぐにすること  36
 効率的なドラムパートのトラック構成を考える  38
 プログラミング時にエフェクトはかけるもの?  40
■Chapter 3 MIDIプログラミング編
 プログラミングの4つの基本について  44
 鍵盤を押すタイミングについて  46
 押す鍵盤について  48
 鍵盤を押す強さについて  50
 鍵盤を押し続けている長さについて  52
 コントローライベントの種類について  54
 点で入力するコントローライベントについて  56
 線で入力するコントローライベントについて  58
 ピッチベンドイベントとポルタメントについて  60
 ピッチベンドレンジの設定について  62
 ピッチベンドイベントの入力タイプについて  64
 モノモードとレガート機能について  66
 ベロシティによる抑揚表現について  68
 ボリュームによる抑揚表現について  70
 アタックを伴うピッチ変化の表現について  72
 アタックを伴わないピッチ変化の表現について  74
 アクセントで作るノリ(グルーブ)について  76
 その他の要素で作るノリ(グルーブ)について  78
 リアルタイム入力とステップ入力について  80
 パートのプログラミング順について  82
 ドラムのプログラミングにおける注意点  84
 ここで差がつくドラムのプログラミング  86
 ベースのプログラミングにおける注意点  88
 ここで差がつくベースのプログラミング  90
 ギターのプログラミングにおける注意点  92
 ここで差がつくギターのプログラミング  94
 鍵盤楽器のプログラミングにおける注意点  96
 ここで差がつく鍵盤楽器のプログラミング  98
 ストリングスのプログラミングにおける注意点  100
 ここで差がつくストリングスのプログラミング  102
 ブラスのプログラミングにおける注意点  104
 ここで差がつくブラスのプログラミング  106
 アンサンブルの多人数感を出す方法について  108
 アタックを伴わないピッチ変化の表現について  74
 アクセントで作るノリ(グルーブ)について  76
 その他の要素で作るノリ(グルーブ)について  78
 リアルタイム入力とステップ入力について  80
 パートのプログラミング順について  82
 ドラムのプログラミングにおける注意点  84
 ここで差がつくドラムのプログラミング  86
 ベースのプログラミングにおける注意点  88
 ここで差がつくベースのプログラミング  90
 ギターのプログラミングにおける注意点  92
 ここで差がつくギターのプログラミング  94
 鍵盤楽器のプログラミングにおける注意点  96
 ここで差がつく鍵盤楽器のプログラミング  98
 ストリングスのプログラミングにおける注意点  100
 ここで差がつくストリングスのプログラミング  102
 ブラスのプログラミングにおける注意点  104
 ここで差がつくブラスのプログラミング  106
 アンサンブルの多人数感を出す方法について  108
■Chapter 4 オーディオレコーディング&エディット編
 マイクレコーディングの前に知っておきたいポイント  112
 楽器レコーディングの前に知っておきたいポイント  114
 気持ちよくレコーディングするためのポイント  116
 外部エフェクターのかけ録りについて考えてみた  118
 演奏中にミスタッチしてしまっても無問題  120
 究極のベストテイクはコンピングで合成  122
 録音してみたらレベルが思ったより小さかったとき  124
 ノイズ対策について考えてみた  126
 オーディオスライス機能について考えてみた  128
 エラスティックモードについて考えてみた  130
 レコーディング後のピッチ変更はどこまで可能?  132
 DTMerにリニアPCMレコーダーは必要?  134
 オーディオパートとプロジェクトテンポの整合  136
 オーディオパートとMIDIパートのノリの整合  138
■Chapter 5 ルーティング&エフェクト編
 チャンネルごとに個別のエフェクトをかけるには  142
 複数のチャンネルに同じエフェクトをかけるには  144
 複数のチャンネルをまとめて操作するには  146
 マスターチャンネルに配置するエフェクト  148
 リバーブについて考えてみた  150
 EQについて考えてみた  152
 ダイナミクス系エフェクトについて考えてみた  154
 コンプレッサーの用法について考えてみた  156
 サイドチェインについて考えてみた  158
 オートメーションについて考えてみた  160
 バウンスの前にやっておくことについて考えてみた  162
■Chapter 6 デジタルオーディオ用語編
 オーディオフォーマットの違いって何?  166
 プラグインフォーマットの違いって何?  168
 ドライバって何?  170
 サンプルレートって何?  172
 ビットデプスって何?  174
 レイテンシーって何?  176
 ディザ処理って何?  178
■Chapter 7 楽器のおさらい編
 ドラムという楽器  182
 ベースという楽器  184
 ギターという楽器  186
 キーボードという楽器  188
 ストリングスという楽器  190
 ブラスという楽器  192
■Chapter 8 楽典のおさらい編
 音部記号と拍子記号について  196
 音程と度数について  198
 音階(スケール)について  200
 調号(キー)について  202
 変化記号と本位記号について  204
 音符や休符の長さと書き方について  206
 反復記号について  208
 コードネームの成り立ちについて  210
 譜面上のいろいろな省略表記について  212

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