2013年4月10日~13日でドイツ・フランクフルトで開催されているMusikmesse。世界中の楽器メーカーが終結し、数多くの新製品が展示されています。幕張メッセの5倍の広さにはただただ圧倒されますし、3、4日で全部見て回るのは到底不可能。結果的に、デジタル関連のフロアを中心に見て、ほぼ終わったという感じですが、その辺のレポートはAV Watchの連載、Digital Audio Laboratoryのほうでまとめているので、そちらを参照してみてください(「第547回:Musikmesseレポート1。TEAC/KORG/ZOOMほか」)。
いろいろと楽しい機材やソフトなどありましたが、今回のMusikmesseで一番印象に残ったものは、といわれれば、なんといってもロボットによる演奏でした。そう、シーケンサでMIDIを鳴らすなんて生易しいものではなく、実物のギター、ベース、ドラムをロボット達が演奏してライブを行うというものなのです。
Musikmesseの初日の見学を終え、ホテルに戻ってFacebookを見ていたとき、タイムラインで流れてきたのがロボットドラマーの写真。
「何だこれ!?、明日探しに行かなくては!、でも会場、広すぎるから……」。なんて思いつつ、翌朝、会場に到着。まずは目当てのデジタル関連のあるホールに向かおうと外を歩いていたら、野外の小さなステージに妙な人だかり。何だろうと覗いてみたら、まさにそのロボット達でした。
メンバーはバンマスと思われるロボ・ドラマー、StickBoyと、ギタリスト、ベーシストとして活躍する汎用二足歩行ロボット2体の、合計3体のロボット。ステージのバックにGibsonのロゴが並んでいるから、Gibsonのプロジェクトかと思ったら、そうではなく、ドイツのROBOCROSS MACHINES社が開発したというもの。
私はぜんぜん知らなかったのですが、もう10年以上前からロボット開発を行っているようで、だいぶ以前からバンド演奏もやっているようでした。
ロボットによる演奏というと、どうしてもテクノ系のイメージがありますが、コイツらが演奏するのはバリバリのヘヴィメタ。爆音でロボットが演奏するのですから、ステージが始まると、ものすごい人だかりです。
ぜんぜん前に進めなかったから、ほかの人たちと同様、手を上にあげてiPhoneのビデオカメラ機能で約5分の演奏を録画してみたのが、このビデオです 。
どうですか?背の高い人たちが多い人ごみの中で腕をあげての撮影なので、あまりコンディションのいいビデオではありませんが、雰囲気は伝わりますよね。DAW、シンセサイザを使ったDTMの楽曲というのとは、まったく趣が違うのには度肝を抜かれた思いです。ドラマーのStickBoyは4本の腕に2つの足と頭という構成ですが、パワフルなリズムを叩いてくれます。
またギタリスト、ベーシストは油圧式で動作していると思われる、右手、左手を上手に使って、それぞれギター、ベースを弾くわけですが、ドラマーとピッタリ息の合った(いや息はしてない)チームワークには驚かされます。ギタリストのロボット君は78本の指があるんだとか……。
派手でパワフルな演奏ですが、ちょっと寂しかったのはボーカルがいないこと。やっぱりここにVOCALOIDが参加して歌い上げてくれると、さらに楽しくなるのになぁ、なんて思ったところです。
【関連サイト】
ROBOCROSS MACHINES