ACID MUSIC STUDIO 9で始める、初めてのDTM

DTMをしてみたいんだけど、難しそうで……」、「楽器もできないし、音楽理論もまったくわからないからDTMって無理でしょ…」、「ボカロを買ったんだけど、これだと歌しかできないので、簡単にBGM作る方法ってないのかな……」、そんな声をよく耳にします。確かに、人によってDTMに求めるのは違うだろうし、目的によって使うべきソフトや機材も異なってきます。

そんな中、これからDTMを始めたいという、多くのDTM初心者の方にぜひお勧めしたいWindows用ソフトがあります。それが先日発売された、ACID MUSIC STUDIO 9という約1万円のソフトです。その理由は、DTMの知識もなく、楽器の演奏スキルがゼロという人でも、パソコン1台あればすぐに使えるという点。そして、初心者用のとってもいい教科書が登場したからですね(笑)。これがどんなソフトなのか、簡単に紹介してみましょう。


パソコン1台あれば、初心者でもすぐに使えるACID MUSIC STUDIO 9


ACID MUSIC STUDIO 9はソニーのアメリカのグループ会社、SONY CREATIVE SOFTWAREが開発し、国内ではフックアップがパッケージ販売しているというソフト。「9」というバージョン番号からも想像できるように、歴史あるソフトなのですが、そのコンセプト的部分は初代バージョンからまったく変わらず。そう「初心者で、音楽知識がまったくない人でも、すぐに曲作りができる」というものなのです。


ACID MUSIC STUDIO 9は店頭価格が1万円弱 

そんなこと言ったって、実際には難しいんじゃない?」と不安に思うのも当然でしょう。多くのDAWと呼ばれるソフトは、やはりそれなりに音楽知識がある人、楽器を弾くことができる人をターゲットとしていますからね。

でも、ACIDの場合、譜面がまったく読めなくても、楽器がまったく弾けなくても、ループ素材と呼ばれる部品を選んで、並べていくだけで、それっぽい音楽ができてしまうんですよね。ちょっと以下のビデオを見てみてください。

どうですか?ACIDでの基本的な曲作りの雰囲気を理解いただけたのではないでしょうか?

改めてこのビデオでの操作を説明すると、ACIDには膨大なループ素材というものが収録されているので、まずはドラム素材を少し聴いてみます。この中から気に入ったものを選び、これを画面上部のトラックに置くのです。


膨大にあるループ素材から気に入ったものを選んで画面上部にドラッグ
置いただけではとっても短いフレーズに過ぎませんが、これは「ループ素材。マウスで右へドラッグしていくと、キレイに繋がって繰り返し演奏させることができるのです。ここでは4小節(4ブロック分)でループするようにも設定しました。

ドラムにベース、ギター、キーボード……と選んでは重ねていく

ドラムだけで寂しいのでベース、ギター、さらにはエレピといろいろな音を加えていくと、だんだん音が厚くなっていくのが確認できたと思います。これがACIDのもっとも基本的な使い方です。これを見ても分かるとおり、操作自体は本当に簡単で、気に入った素材を選んで、並べるだけ。たったそれだけで、結構カッコイイ音楽になってしまうんですよね。

各素材はプロのミュージシャンが演奏したものだから、並べただけでもプロクオリティー。どう組み合わせるかは自由自在で組み合わせ方は何万、何十万通りもあるわけですから、まさにオリジナルなサウンドが構築できます。そしてこのループ素材は付属のものに限らず、世の中には市販のもの、フリーのものを含め「ACIDファイル」、「ACIDizedデータ」などと呼ばれるものが膨大にあるので、これらを利用することもできます。

だから、ここまでの機能だけで十分満足できてしまう人もいるのではないでしょうか?とはいえ、長年の歴史を誇るACIDですから、こうしたループ素材を並べていくというのはACIDの本当の入り口に過ぎません。テンポを変えたり、ピッチ(音の高さ)を変えたりすることはもちろん、曲の進行にしたがってコードを変更するのも自由自在。

もちろんレコーディングだって簡単にできる
もちろんレコーディング機能も装備していますから、自分で歌ってボーカルを入れるのもよし、ギターなどが弾けるのならそうした演奏を追加していくことも可能です。またボーカルはVOCALOIDに任せ、VOCALOIDで生成したボーカルをトラックに読み込んで利用することだって可能です。

MIDIを用いた打ち込み機能も用意されている
また、ネット上に膨大にあるVSTプラグインといわれるエフェクトを使って音を加工することもできるし、いわゆる「打ち込み」機能も装備していますから、自分で音符を入力してシンセサイザを演奏させることだってできてしまうんです。

つまり、ACIDは、まったくゼロの知識からスタートすることができる一方で、知識をつけるにしたがってより突っ込んだ使い方までができるソフトなんですよね。


私が書いた入門者向けの解説書は10月20日の発売!
ACID MUSIC STUDIO 9完全入門ガイド」(ラトルズ刊)

とはいえ、実際にどうやって操作すればいいのか、どうやって知識をつければいいのか、と不安に思う方もいるはず。でも大丈夫!そう、ここで紹介しているような使い方を手取り足取り解説する教科書ができました!10月20日発売の「ACID MUSIC STUDIO 9完全入門ガイド」という本がそれです。


解説書の中身はこんな感じ 

完全に宣伝モードに入ってますが(笑)、前バージョン用に書いた本をベースにしてACID MUSIC STUDIO 9用に全面改訂して私が書き直すとともに、オールカラー、208ページに仕立てたというもの。全10章立で以下のような構成になっています。


コラムもいっぱい入れて読みやすくしています

Chapter 1 まったくの素人でも簡単にできるACID Music Studio 9の不思議な世界
Chapter 2 必要な機材と、使いこなすための設定テクニック
Chapter 3 まずはループ素材を並べてみよう
Chapter 4 曲の構成を固めていこう
Chapter 5 ダンスミュージック作成にも威力を発揮する、CDリミックスに挑戦!
Chapter 6 オーディオ機能でボーカルやギターをレコーディング
Chapter 7 MIDIシーケンス機能を用いた打ち込み機能
Chapter 8 ACID Music Studio 9で行うミキシング操作術
Chapter 9 ACID Music Studio 9に搭載された強力なマスタリング機能
Chapter10 VOCALOIDとコラボレーションしよう

この本、普通に書店やAmazonなどで購入することもでき、価格は税込み、2,079円。しかし実は、ACID MUSIC STUDIO 9のソフトと本をセットにした「ACID MUSIC STUDIO 9 解説本バンドル」なる製品もフックアップから発売されています。おそらく、セットで購入したほうが1,000円程度安いので、価格を確認した上で購入してみてください!

きっとDTMの世界にドップリとハマれると思いますよ!
【関連サイト】
ACID MUSIC STUDIO 9製品情報

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