以前「Minimoog-Vが無料で入手できるぞ!Arturia社長に聞くアナログシンセ開発の経緯」という記事でも紹介したとおり、先日、フランスのArturiaは、Minimoogをエミュレートするソフトシンセ、Minimoog V Originalを1日限定で無料放出し、まさにお祭り状態になりました。
恐らくArturia自身も予想していなかったほどのアクセスが集中し、当日は同社サーバーが実質的にダウンするほどの混乱ぶりとなりました。みなさんは、無事GETできたでしょうか?私自身は、無料公開30分後にアクセスしたこともあり、なんとか入手できたわけですが……。そのArturia、その後どうなっているのかな?とチェックしてみたら、またいろいろと凄いことになっているんですね。
まず、先日のArturia社長インタビューでも言っていたとおり、あの祭りの後、ArturiaとMoog Musicとのライセンス契約が切れ、Minimoog VおよびMoog Modular Vの販売ができなくなりました。では、製品自体が消えたのかというと、そうではないんですよね。すでにご存知の方も多いと思いますが、両ソフトともに、名称だけを変えて、再リリースされています。
MooogとかMuugなんて名前にするのかなと思っていたら、あっさり「Mini V」と「Modular V」とのこと。試しにインストールしてみると、ロゴ部分が変わっただけで、ソフトとしては何も変わっていないようですね。出音もまったく同じなので安心しました。
一方、価格はというと、ライセンス料がなくなったからでしょうか?従来、国内のディーラーであるフックアップの定価が31,290円だったMinimoog VはMini Vになって定価12,600円に。同じくMoog Modular VもModular Vになって31,290円から12,600円と1/3近い価格になっています。
まあ、すでにMinimoog V Originalをダウンロードできた方なら、わざわざMini Vを買う必要はないとは思いますが、例えばAmazonで調べると1万円以下の売価になっています。ダウンし損ねた人もこの価格なら比較的気軽に買えそうですよね。
ちなみに、製品版では開く画面上部のパネルが、無料版のMinimoog V Originalは開かないという機能制限がかかっていましたが、実はDAWからコントロールすれば表示されない部分もしっかり利用できるということも判明。そう中身自体は同じだったんですよね。
しかし、改めてチェックしてみると値下げされていたのは、名称の変わったMini V、Modular Vだけではありませんでした。Prophet5をエミュレーションするProphet V、RolandのJUPITER-8をエミュレーションするJUPITER-8V、ARP 2600をエミュレーションするARP 2600V、エレピのWurlitzer 200AをエミュレーションするWURLITZER VなどArturiaのソフトシンセがどれも新パッケージになるとともに、定価が12,600円に値下げされていたのです。
またArturiaの各ソフトシンセのエンジンすべてを搭載し、音色だけを鳴らせるようにした「いいとこ取り音源」、Analog Laboratory(旧Analog Factory)の音色をチェックしてみたところ、こちらもしっかりMoogのロゴが消え、Mini V、Modular Vとなっていました。
さらに驚いたのは、Aruriaのソフトシンセ10本、具体的には
●Mini V
●Modular V
●ARP 2600 V
●CS-80V
●Prophet V
●JUPITER-8 V
●Analog Laboratory
●Oberheim SEM V
●Spark Vintage
●WURLITZER V
を1つにまとめたV COLLECTION 3という製品が発売されており、これの定価が50,400円。Amazon価格で4万円ちょっとですから、1本あたりの価格は4,000円強ですよ、お客さん!(笑)
こんな投売りをして大丈夫なんだろうか…と心配にもなってしまいますが、ユーザーにとっては嬉しい限りです。
ちなみに、今回初めて、Prophet Vを使ってみたのですが、楽しくてすぐに何時間も経ってしまう困ったソフトです。このProphet Vのプリセット音色がなかなかの優れもので、その名前をチェックしてみると、「HS_Behind_Brass」や「HS_BALLET_Bell」、「HS_CUE_Bass」、「HS_harry_madmen」といったものが!さらに、その派生系?として「HS_YT_swimschool_SNR」、「HS_JPN_TalkingDrum_02」、「SF_Ryuichi_08」なんてものまであるんですよ!そして、これがまさにソックリな音がするんですよね。CDに合わせてMIDIキーボードを弾いていると、時間があっという間に…。この辺の音色名にピンと来る方は、ぜひ遊んでみてください!
ちなみにArturiaサイトには15日間使える体験版が上がっているので、まずはこれを使ってみるのもいいと思いますよ。
※追記
ちょうどこの記事をアップした翌日の8月22日の深夜、Arturiaから「Limited-time Offer – Get th V Collection 3 at an amazing price!」というメールが届きました。どうも、先日Minimoog V Originalを入手した人向けに送られたメールのようです。これによると、期間限定ではありますが、V Collection 3が299ユーロで入手できるとのこと。為替レートからすろと約3万円ですね!ただFacebook経由で登録した人は今のところ対象になっていないようではあります…。また確認したところ、国内販売で約4万円のパッケージと違い、
これはダウンロード版。 そのため日本語の冊子のマニュアルはなく、フックアップによる日本語でのサポートも受けられません。とはいえこの価格で買うことができるのですから、ダウンロード版で苦にならない人はお買い得ですよ!
【関連情報】
Arturiaサイト