先日、PreSonusのStudioOne2 Free、AbletonのLive Liteのフリー版の記事を紹介しましたが、先週・今週とまたよさそうなソフトのフリー版が登場していました。すでに、いろいろなニュースサイトで取り上げているのでご存知の方も多いとは思いますが、MakeMusicの譜面作成ソフト、Finale NotePad 2012および、その譜面をiPadで見るためのFinale SongBookです(念のためFinaleの読み方はフィナーレですよ)。
私個人的には譜面を書くということはあまりないので、この手の譜面作成ソフトを使ったことはほとんどありませんが、無料なら、ということでちょっと触ってみました(以前からNotePadは無料で存在していたようですが、改めて最新版が登場したようですね)。
無料で使うことができる譜面作成ソフト、Finale NotePad 2012
Finaleといえば譜面作成ソフトとして、もっとも著名なソフトですよね。これまで使っていないので、ごめんなさい、詳しいことよく分かりませんが、調べてみると結構いいお値段のようで、最上位のFinale 2012は標準価格が58,000円。その下に
Finale PrintMusic 2011
Finale SongWriter 2010
とあり、さらにその下に今回リリースされた無料版のFinale NotePad 2012がラインナップしています。
それぞれがどう違うかは、Finaleのサイトに行くと、細かく記載されているので、ご確認ください。
Finaleシリーズ製品間の機能比較
Finale NotePadのインストール画面
で、さっそく
Finale NotePadの無料ダウンロード
というページからソフトをダウンロードしてみました。Windows版、Mac版が用意されているので、必要なものを入手してください。インストールを開始すると、ちゃんと日本語でのメッセージが出てきますね。ちなみにWindows版で確認したところ64bitネイティブではなく、32bit版ですね。
すぐインストールできるので、これを起動すると、シリアル番号を入力する画面が出てきます。適当な番号を入れても動くようですが、画面下の「シリアル取得」ボタンをクリックして、Finaleのサイトにアクセスすれば、無償でシリアルを入手することが可能です。
また起動時に、MIDIの設定画面が現れます。とくに設定しなくても自動的に行われるので大丈夫ですが、USB-MIDIキーボードを接続しておくと、キーボードからステップ入力ができるので便利ですね。またこの出力を見ると、「SmartMusicソフトシンセ」なるものが設定されています。これはFinaleをインストールすると同時に入るソフトシンセであり、これを使って譜面を演奏できるようになっています。Windows版で確認したところ、これはVSTインストゥルメントなどではなく、WindowsのMIDIデバイスとして認識されています。
サンプル画面を開くと、きれいな譜面が現れる
サンプルデータを開いてみると、結構キレイな譜面が出ますね。もちろん、このFinale NotePadは体験版ではなく、しっかりした譜面ソフトですから、こうした譜面を作ることも保存することも印刷することも可能。単純な空の五線譜からピアノ譜、木管楽器や金管楽器などの譜面、さらにはドラム譜、TAB譜までテンプレートが用意されているので、私個人的には、これ以上何が必要なのだろう、と思ってしまうほどです。また歌詞入力も可能で、もちろん日本語を使うことも可能です。
またMIDIファイルの入出力も可能なので、予め持っているMIDIファイルがあれば、それを読み込んで譜面化することもできるし、Finale NotePadで入力したデータを別のシーケンサやDAWへ渡すことも可能なわけですね。
iPad版のFinale SongBook
一方、このFinale NotePadのニュースに続いて届いたのがiPad版のFinale SongBook。これも無料で入手できるもので試してみたところ、これはFinale NotePadなどPC版のFinaleで作った譜面をiPadで読むためのもの。これを使えば、わざわざ紙に印刷しなくてもOKというわけです。データのやり取りはiTunes経由でできました。また、譜面を見るだけでなく、譜面の再生もできますね。
作った譜面はMusicXMLとしてエクスポート可能
ところで、Finale NotePadの「ファイル」メニューを見て、おや?と思ったのは「MusicXML」の項目。そう、これは譜面データをやりとりするための標準データ形式なのですが、これを利用すると、以前紹介したことのある、名古屋工業大学が開発したフリーの歌声合成システム、Sinsyにデータを受けたすことができるんですよね。
名古屋工業大学の歌声合成システム、Sinsyにデータを引き渡すことができる
改めてSinsyのページを確認すると、ちゃんとFinale NotePadで利用できると記載されています。試しに、簡単な音符と歌詞を入力し、Sinsyに受け渡しとところ、すぐに歌ってくれました。ちなみにデータ形式は「MusicXML 3.0ファイル」というものを使っています。VOCALOIDとはまたちょっと違う歌い方をしてくれるので、気になる方はぜひ試してみてください。