以前紹介したiPadやiPhoneをLine 6のPODに変身させてしまうというMobile In(Dock接続のギター入力用インターフェイス)とMobile POD(アプリ)。そのMobile PODが先日アップデートされて1.2.1というバージョンになりました。
今回のアップデート、あくまでもマイナーバージョンアップという位置づけではあるのですが、結構いろいろな機能が強化され、さらに使える機材へと進化しています。具体的にはiTunesライブラリとの連携機能や、作った音色データをネットを介してやり取りできる機能、さらにiPhone 4Sに正式対応したことなど……。結構便利になっているので、簡単に紹介してみたいと思います。
以前にも紹介したとおり、Mobile PODはLine 6のPODを忠実にiPad、iPhone上に再現したアプリであり、数多くのアンプモデリングやストンプエフェクトを自在に組み合わせて使うことができます。
すでに、これをライブなどで使っている人、レコーディングに使っている人なども登場してきているようですが、多くの人の場合、一番の目的は自宅で練習したり、好きな曲に合わせて弾く…ということではないでしょうか?これまでもiTunes機能と組み合わせることができなくはなかったのですが、操作が難しく、使いやすいものではありませんでした。
しかし、今回のバージョンでは、iTunesライブラリとして取り込んである曲をMobile POD上で直接鳴らすことが可能になったため、圧倒的に使いやすくなりました(ただし、DRMのかかっているデータは対象外)。これだけでも即バージョンアップする価値がありそうです。
一方、個人的に気に入ったのは、メールを使ってパッチデータをやりとりできる機能です。そう、アンプやキャビネット、ストンプエフェクトの組み合わせはもちろん、それぞれのパラメータの設定までを含めてパッチとしてデータを保存することが可能となっているのですが、内部の保存するだけでなく、メールでパッチデータを飛ばすことができるようになっています。これを自分宛に送れば、iPhone/iPad間でデータのやりとりをしたり、Mobile PODユーザー同士でデータの交換も可能となるわけです。
ちなみにデータをメールで受け取った場合、添付データをクリックすると「Mobile PODで開く」というメニューが出てくるので、これを選択すれば自動的にMobile PODが起動して読み込むことが可能になっているのです。
実はこの機能を利用することで、さらに面白いことができます。それが実機であるPOD 2.0とのデータのやりとりです。私もかなり昔に買ったPOD 2.0が手元にあるのですが、Line 6が配布しているユーティリティソフト「Line 6 Edit」というソフトを利用することで、MIDI経由でこの中のパッチを吸い上げることができます。そして、これをメールで添付してiPad/iPhoneに送れば、完全な形でMobile PODで再現することができるんですよね。PODで多くのパッチを作っている人にとってはライブラリの有効活用ができるわけですね。
もっとも、Line 6はCustomTone.comというサイトを運営しており、ここにユーザーが作ったパッチデータをアップできるようになっているのです。すでに1万を超えるデータがアップされており、それらをMobile POD上で自在に読み込んで利用することができるので、これも便利ですよ。まあ、この機能自体は前のバージョンから入っていたのですが……。
そのほかにもチューナーの精度が上がったとか、アンプを取り外すことができるようになった、iPhone 4SやiPad 3rdに正式対応したなど、いろいろと細かく変わっているようです。
以前、記事で紹介した直後から品薄でなかなか入手できなかったMobile Inですが、現在は在庫も潤沢になってきたようです。なかなか買うことができずに諦めていた人は改めてチェックしてみるといいかもしれませんよ。
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