昨日、YAMAHAからiPhone/iPadのユニバーサルアプリ、Cloud Audio Recorderがリリースされ、App Storeで170円でダウンロード購入できるようになりました。見た目はオープンリール風なレトロなデザインで、2chでのレコーディングと再生、また簡単な編集機能とSoundCloudとの連携機能も備えたものとなっています。
170円のアプリなので、ほとんど期待もせず、試に購入して使ってみたところ、予想外に便利なものだったので、どんなことができるのかを紹介してみましょう。
Cloud Audio Recorderのメイン画面はホントに単純なレコーダー。録音ができて、それを再生できるというだけ。ユニバーサルアプリなので、iPad、iPhoneそれぞれの画面に最適化されているのですが、凝ってるなと思うのが、テープ部分のアニメーション。最初は左だけに巻かれているテープが時間経過とともに、右へと移っていくし、それに伴って左と右の回転スピードがちゃんと違うんですよね。
通常、何もしなければ、iPhone/iPad搭載の内蔵マイクで録音するわけですが、ここにCoreAudioデバイスを接続すれば、それにちゃんと対応してくれます。試にLine 6のギター用インターフェイス、Mobile Inを接続したところ、しっかりギターの音を拾ってくれたし、TASCAMのステレオマイクiM2を接続したところ、こちらも確実にステレオで音を捉えてくれました。
このレコーディングは非圧縮の16bit/44.1kHzのステレオのWAVファイルで記録されます。まあ、ここまでであれば、フリーのアプリでも、いっぱいあるので、大したことはありません。でも、ここで「EDIT」というボタンをタップすると波形が表示され、簡単な波形編集ができるのです。
波形編集をよく使っている方なら思いは共通だと思うのですが、一番よく使うのって、トリミングとノーマライズですよね(もしかして、ほかの人は違うのかな?)。それがとってもスマートにできるんです。単純な機能な割に、そこがしっかりできているアプリって少ないので、これだけで買いじゃないかな、と。
またエフェクト機能もあり、EQ設定(flat、sepia、vivid)、ノイズ低減、リバーブ、ゲインの4つのパラメータで調整できるようになっています。ノイズ低減は、しすぎると音が曇ってしまいますが、簡易機能としては、結構便利だと思いますよ。
さらに、このように編集した後に「COPY」ボタンをタップすると、AudioCopy機能が使えるため、GarageBandやMusicStudio、FL Studio Mobile HDをはじめとする各種アプリに持っていくことも可能になっています。
そして、Cloud Audio Recorderという名前がついている理由は、これがSoundCloudと連携しているからです。録音し、編集した結果をすぐにSoundCloudにアップして、公開することができるので、なかなか便利に使うことができます。もちろん、自分用の公開しないファイルとして、SoundCloud上に保存しておくこともできるので、あとでPCで細かく編集したり、素材として利用するといった場合にもうまく活用することができるはずです。
また、最近はSoundCloud上には、ダウンロード可能な作品もかなり増えていますが、そうした作品をこのアプリ内にダウンロードして遊ぶこともできます。そう、ダウンロードしてしまえば、あとはiPhone/iPadのローカル環境においてトリミングしたり、EQをかけたり、リバーブをかけたり……ということが自由にできるのです。その結果をほかのアプリへAudioCopyで持っていくこともできわけなので、素材取り込み用としても活用できそうですよ。