一昨年、初代iPadが発売されてから、かなり早いタイミングで発表・発売されたことで大きな注目を集めたイタリアIK MultimediaのiRig。そのiRigの名前を頭に付けたiPad/iPhone用のデバイスが3種類がアメリカ・ラスベガスで行われている国際家電見本市「2012 International CES」で発表されました
具体的にはモバイルDJミキサーのiRig MIX、コンパクト・エフェクター型iPhoneインターフェースのiRig STOMP、そして小型マイクのiRig MIC Castのそれぞれです。私自身、まだ現物を見たわけではありませんが、発表された内容を元に簡単に紹介してみましょう。
2台のiPad/iPhoneを利用できるDJミキサー、iRig MIX
まず、iRig MIXはiPadとiPhone、2台のiPadなど2つのデバイスをミックスさせるためのDJ用ミキサーです。iRig MIXには、クロスフェーダー、CUEモニター、EQ、ボリューム・フェーダーといったDJミキサーに必要な機能を網羅していると同時に、従来のDJミキサーと比較して非常にコンパクトになっているのが特徴です。
また、iRig MIX用にIK Multimediaの純正アプリDJ Rigがリリースされ、これを使った自動同期などもできるようになっています。まずは、以下のデモビデオを見てみると、だいたいの雰囲気がわかるのではないでしょうか?
ただ、このビデオからもわかるとおり、iRig MIXとiPadやiPhoneとの接続はあくまでもアナログなんですよね。DOCKコネクタで接続するのではなく、ヘッドフォンジャックを通じてのアナログ接続。ただし、通常のミキサーと違って、各デバイスからミキサーへ音を流す一方通行ではなく、ミキサーからiPadやiPhoneへも信号が行くというのがミソ。これを利用してアプリ側ではビートを合わせられるようになっているのです。
片方がマスター、片方がスレーブという関係になるので、マスター側はiPadやiPhoneに限らず、CDやMP3プレイヤーなど何でもいいわけですね。国内での発売時期や価格はまだ発表されていませんが、アメリカでは2月の発売予定で$99.99(税別)とのことですから、1万円以内で登場してくれるのではないでしょうか?
2つ目は、コンパクト・エフェクター型のiPad/iPhoneインターフェースiRig STOMP。これは従来からあったiRigをストンプ仕様、つまりフロアにおいて、足でスイッチのオン/オフを可能なエフェクタの形にしたというものです。
ギタリストの方々の場合、いくらiRig&AmpliTubeが気に入っても、愛用のストンプボックスを手放せないという方もいるでしょう。そんな場合、これを使えば、ストンプの一つとしてiRig&AmpliTubeを使うことができ、ほかのエフェクタといっしょに並べることができるというわけです。
軽量ながら頑丈な、アルミ製の筐体でできていて、右側入力/左側ステレオ・アウトという仕様。またiRigと違って電池駆動させるのですが、9V電池を使用する形となっているほか、エフェクタ標準の9V電源入力端子も搭載しています。また他のストンプやアンプに接続しやすい1/4”標準端子と、夜中の練習に便利な1/8”ヘッドフォン・アウトも装備されています。
このことからもわかるとおり、アプリは従来からあるAmpliTubeを利用するほか、接続はやはりアナログとなっているわけですね。発売はまだしばらく先で夏ごろの登場になるとのこと。またアメリカでの価格は$59.99と発表されています。
3つ目は、小型マイクのiRig MIC Cast。この「Cast」という名称からも想像できるとおり、これはDTMというよりは、ブロードキャスト、ポッドキャスト、インタビュー、ボイスメモ、講義やスピーチなどのレコーディングをターゲットとしたマイクです。
TASCAMのiM2のようにデジタル接続するというわけではなく、やはりアナログ接続で、iPad/iPhoneのヘッドセット用マイク入力につないで使うものです。その意味では、他社からも似たマイク製品が数多くあり、その市場にIK Multimediaも参入したと考えるのがわかりやすそうですね。
特徴としては単一指向のマイクであるとともに、Lo/Hi感度切り替えスイッチ付きがあること。また、ステレオ・ミニ端子出力も搭載されているので、モニター対応アプリを使えば、リアルタイムにモニタリングできるようになっています。
このiRig MIC Castはアメリカでは春に発売される予定で、価格は$39.99と発表されています。
IK Multimedia iRig IPIRIGPLGIN
販売元:IK Multimedia