最近すっかりYAMAHAとSteinbergが一体化した感じで、YAMAHA流通の元、Steinbergブランドのハード、ソフトがいろいろと出ていますが、10月末にSteinberg CMCシリーズというユニークなコントロールサーフェイスが6種類発売されました。いずれも実売価格14,800円(CMC-FDのみは16,000円)で、とってもコンパクトなのが特徴です。
コントロールサーフェイス、フィジカルコントローラというと、どうしても大きな機材を想像してしまいますが、これならデスクトップ上で、PCのキーボードの隣においても邪魔にならないサイズです。楽器フェアやシンセフェスタなどの会場でモノは見ていたのですが、実際に使ってみたので、紹介してみましょう。
CMCシリーズは、どれも102×183mmというサイズで、PCのキーボードと並べて置けるコンパクトなサイズのコントロールサーフェイスです。種類的には
●CMC-CH:チャンネルコントローラー
Cubaseで選択中のチャンネルにあるパラメーターを直感的に操作可能
●CMC-FD:フェーダーコントローラー
Cubaseのレベルフェーダーを1台で4チャンネル、最大4台接続時は16チャンネルまで操作可能。また、レベルメーターとして使用することもできる
●CMC-QC:クイックコントローラー
Cubaseで選択しているチャンネルのクイックコントロールやEQを直感的に操作可能
●CMC-PD:パッドコントローラー
ドラムやリズム楽器などの打ち込みに最適なコントローラー。また「Cubase」のさまざまな機能を各パッドに割り当てて、ショートカットキーとして操作することもできる
●CMC-TP:トランスポートコントローラー
Cubaseのトランスポート機能を素早く操作できるコントローラー
●CMC-AI:AIコントローラー
AIノブを回すことで、マウスポインターを合わせたパラメーターやメインミックスのボリューム、ジョグホイールを操作することができる
と6種類あり、自分の必要なものだけを揃えればいいというのがポイント。Mackie Control互換の大きい機材もいいのですが、DTM用途だと、大きすぎて置けないという人にとって、CMCシリーズなら手軽で便利。USB接続となっており、電源もPCからのバスパワーで動作するため、配線も簡単です。
個人的には、トランスポート操作だけはリモコンを使いたいといつも思っているので、そんな人ならCMC-TPだけひとつ揃えればいいわけです。
設定すればSONARやLogicなどでも使えるはずですが、基本的にはCubase/NUENDO専用となっており、付属のドライバーソフトをインストールすれば、すぐに使えるというのが嬉しいところです。コントロールサーフェイスって便利だけど、設定が面倒なことが多いですからね。
たとえば、そのCMC-TPの場合、スタート、ストップ、録音、早送り、巻戻し……といった操作はもちろんのこと、指でさする形でコントロールできるタッチパッドを使うことで、ロケーターを動かすことができます。またその下にある「SLIDER MODE」というボタンでモードを切り替えると、同じタッチパッドでジョグ操作、シャトル操作、ズーム操作ができるなど、結構万能に使えます。この使い方、ヤマハシンセブログで作ったビデオがYouTubeにあがっていたので、これを見るとよくわかると思います。
またシンセやEQなどの調整をツマミで行いたいという人ならCMC-QCが便利です。ここには、8つのツマミがついていて、これで各パラメータをコントロールできるのですが、設定している値によって、ツマミの中央にあるLEDの明るさが変化するというのもユニークなところ。
もちろん、必要に応じてパラメータの割り当てを変えられるように設定ユーティリティも搭載されています。
またちょっと面白いのは、複数のCMCを持っている場合、バラバラにならないように、ジョイント部品が添付されていて、つなぐことができるという点。せっかくコンパクトな機材なので、個人的には1つかせいぜい2つ置くのがいいのでは……という印象ですが、やればいっぱい並べて使うこともできるのです。
ただジョイント部品は、プラスティックの簡易的なものだから、頑丈な大きなコントローラを作るためのものではないので、ご注意を。
またせっかくジョイントするなら、USB接続もうまくまとまってくれると便利だったのですが、そうはなっていないので、1つずつPCとUSB接続する必要があります。
なお、CMCシリーズ1つずつにCubase AI6の無料ダウンロードクーポンがついているので、これからCubaseを使いたいという人も、これ1つ買えばDAWまで揃ってしまうわけです。ご存知の方も多いと思いますが、Cubase AI6、かなり高機能で、普通の使用ならこれだけで十分では……と思えるほどのスペック、性能となっていますので、試しに使ってみるのもいいのではないでしょうか?
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Steinberg CMCシリーズ製品情報