昨日の記事、「Lion搭載の新Mac miniでCubase 6、ProTools 9は動くのか?」で、Macの新OS、LionでCubase 6は32bit版として使えるけれd、Pro Tools 9はインストールはできるものの、起動すらできないということをレポートしました。いろいろな方のブログや各メーカーのコメントなどを見てみると、Logic Studioが動くのは当然として、Digital PerformerやAbleton Liveは問題が出ているようなので、DTMにとってLionはまだしばらく様子を見ておいたほうが安全そうです。
その一方で気になるのがオーディオインターフェイスの対応でしょう。これが使えないと、いくらDAWが動くようになっても、実質使うことができませんから。そこで新Mac miniに手元にあるいくつかのオーディオインターフェイスを接続して試してみました。
Lionの発表は20日でしたが、それから数日でいくつかのメーカーは対応をアナウンスしています。いつもながら早いのがRoland。だいぶ以前に出したFireWire用のオーディオインターフェイス、FA-66とFA-101は、当初からAppleが標準サポートを打ち出していたたため、ドライバをインストールすることなく今回もそのまま使うことができます。
またOCTA-CAPTUREやQUAD-CAPTURE、そしてUA-101などUSB 2.0対応のオーディオインターフェイス用にはさっそくLion用の新ドライバが公開され、使えるようになっています。さっそく、QUAD-CAPTUREで試してみましたが、Cubase 6でもGarageBandでもバッチリ使うことができました。
Rolandの対応状況のページを見ると、USB 1.1対応の製品群もドライバがリリースされて動くようですが、Audio MIDI設定の入力のThruチェックボックスが有効にならないというトラブルがあるようですね。気になるのは、もう1世代、2世代古い機材の対応。使っている人は減っているとは思いますが、ウチにも以前に購入した機材もいっぱいあるので、そうした機材の対応もしてくれると、うれしいところです。
次に試してみたのがSteinberg製品。Cubase 6をしっかり使いたいので、MR816csxが動くかが気になるところ。でも、Steinbergのダウンロードページを見ると、最新版のドライバは2011年3月9日にアップされていた「TOOLS for MR V1.7.1 … Mac OS X 10.5.8 / 10.6 (64bit カーネル含む) -」というもので、ちょっとダメっぽい模様。
とりあえずは人柱。何でもやってみようと、こいつをインストールしてみました。インストール自体は問題なくいきました。続いて、FireWireインターフェイスに接続してみると……。おや、Macのシステム音は鳴らせるようですね。続いて、Cubase 6を起動してみると……、自動的にMR816csxがセッティングされ、ちゃんと音が鳴るし、レコーディングもできます。まあ、それほど本格的に使っているわけではないので、なんらかのトラブルがある可能性は否定できませんが、使えそうですね。
続いて、PreSonousのFIRESTUDIO TUBEを試してみました。実はこいつは、明日UP予定のAV Watchの記事用に借りているものなのですが……。PreSonousのサイトを見ると、やはりLion用というものはまだできていないようで、「Mac OSX Snow Leopard and Leopard (10.5.2+) Universal Control and Driver for FireStudio famliy (32-bit and 64-bit compatibility)」と書かれています。SnowLeopardに対応していて、64bit対応とあるから、動きそうな予感もします。
で、さっそく接続して試してみると……。MR816csxのときのように、Macシステム音は鳴らすことができました。ところが、Cubase 6で設定してみると音が出ません。よく見てみると、入力ポートは見えるものの出力ポートがひとつも見えないのです。しかも、FIRESTUDIOを選択した後、Cubase 6の動作が不安定になってしまいます。GarageBandでもまったく同じ状況です。どうも、これはLion対応ドライバが出るまではダメっぽいですね。
【追記】
試してはいませんが本日(7月26日)PreSonousからLion用のドライバがリリースされました。
以上、3つのオーディオインターフェイスについて試してみました。MR816csxはラッキーな感じでしたが、基本的にはLion対応ドライバが揃うまでは、まだLionへの移行は危険……というのが実際のところではないでしょうか。DTMユーザーはもうしばらく様子見しておいたほうがいいと思います。
【編集後記】
一通りのテストを終えたわけですが、やはりうまく動作しないアプリやドライバをいろいろいれたままの状態にしておくのは気分が悪いもの。今後、気持ちよくLionを使うためにも、OSを再インストールして、出荷状態に戻そうとしました。光学ドライブがないし、OSのDVDもないので大丈夫かな……と思ったのですが、別パーティションにシステムが入っていて、Command+Rを押しながら再起動すると、ユーティリティが起動して、インストールできるようになっていました。と・こ・ろ・が、OSは問題なくインストールできたものの、もともと入っていたGarageBandなどiLife ’11が消えてしまい、インストールすることができません。Appleのサポートに電話をして、2、3時間ものやりとりをした結果、ようやく解決。やっぱり新マシンをいきなり買うというのは、危険がいっぱいです!情報も少ないだけに、苦労することはありそうです。