ネット越しにバンド活動ができるNETDUETTO βは楽しすぎる!

バンド活動。「そりゃあやってみたいけど、時間もないし、気力もない」と諦めている人も多いのではないでしょうか?私自身もその一人で、社会人になった当初までは、元気もあって練習スタジオに通ってライブをしたり……、なんてことがありましたが、それ以降はさっぱり。またできたらいいのに……と、いつも思うものの、実現できずのまま早20年!?

そんな夢のようなバンド活動が、技術の進化によって、自宅にいながらにしてできるようになったのです。YAMAHAのY2 PROJECTが無料でサービス提供しているNETDUETTO β(ネットデュエット・ベータ)というのが、それ。以前にもAV WatchのDigital Audio Laboratoryなどで記事にしていますが、先日、NETDUETTO βを使ってのバンド活動をしてみて、あまりにも楽しかったので、改めて紹介してみたいと思います。

うちのエレドラを使ってバンド活動にチャレンジ!


このNETDUETTO βというのは、インターネット越しにセッションができるというシステムで、Y2 PROJECTが配布しているソフトを無料でダウンロードして起動されれば、誰でも無料で使うことができます。2011年4月現在、まだWindows版のみですが、近い将来Mac版もリリースされるようなので、そうすれば誰とでもセッションできるようになりそうです。

このNETDUETTO βでは自分を含め最大4箇所までの接続が可能で、参加したメンバーの音が自分のPCからリアルタイムに聴こえてきます。私はドラムなので、先日は大阪にいるベース、京都にいるギター、東京にいるキーボードの4人で演奏を楽しみました。もっとも、このメンバー、私自身はまったく面識もないのですが、Twitter上でのやりとりで、集まったまさに即席バンド。課題曲は「けいおん!」の楽曲コピーということで、いっぱいの曲を演奏しました。

そんなのSkypeでもできるのでは?」と思う方もいるでしょう。また「音質は悪いかもしれないけど1対1なら電話でもできるでしょ」と考える方もいると思いますが、ぜひやってみてください、絶対できないんですよ。なぜなら、そこにレイテンシー(音の遅延)があるためで、どうやってもまともな演奏になりません。ところがNETDUETTO βを使えば20~30msec程度のレイテンシーで接続できるため、7~10m程度の距離で演奏をしているのと同じ感覚で演奏ができるわけです(音速は340m/秒なので)。

このようにするためには、
・ASIOドライバ対応のレイテンシーの少ないオーディオインターフェイスを用意する
・回線はできるだけ光を使う(ADSLも可能だけどレイテンシーが大きくなる)

・無線LANを使わず有線LANにする
など、多少の準備は必要ですが、光回線さえあればDTMユーザーならすぐに準備ができると思います。

RolandのOctaCaptureをASIOで使ってました。あ、ドラムもR社だ…、YAMAHAさん、ごめんなさい!

実際にメンバーが一同に会すためには、まずメンバーのうち1名がルームを作成し、パスワードを決めます。その後、各メンバーにルーム名、パスワードを伝えて、各自ログインすれば、P2P接続されて、各メンバーの音が聴こえてきます。これ、ヘッドフォンをしていると、ちょっと感動もの。まるでスタジオの中にいるようなんですよ。試しの音出しでキックをドンドン叩いている音、ギターやベースのチューニングしている音、キーボードが試奏している音が混じって聴こえる……、この無造作な音はスタジオそのものです。

ルームに入るとNETDUETTO βを通じて遠くにいるバンドメンバーの音がリアルに聴こえてくる

このNETDUETTO βの利用で結構重要なのは、各自マイクが必須という点。そう「じゃあ、次の曲は何にしようか……」なんて会話をしながら演奏するわけですから、マイクがないとコミュニケーションがとれないんです。テキストでのチャット機能も用意されているのですが、会話のほうが圧倒的にスムーズですからね。今回、ギターの方が手元にマイクがないということだったので、急遽Skypeで私と接続し、私のPCスピーカーから出てくる音をマイクで拾ってみたところ、なんとかそれなりに使うことはできました(いま考えてみれば、PCのオーディオ出力をオーディオインターフェイスに入力すればよかったんだ…)。

実際、演奏を始めてみると、メチャメチャ楽しい!ギターもベースもキーボードも、すごくうまい方ばかりで、ド素人の私は赤面してしまう感じでした。私自身は、レイテンシーはまったく気になりませんし、音質的にも極めていい感じ。強いていうと、ギターだけ微妙に音質が落ちていたようです(気になりませんでしたが)。確認すると、他の2名とは44.1kHz非圧縮で通信できたのに、ギターだけは11kHzの圧縮となっていたんですね。全員、光回線ではあったのですが、この方は学生寮とのことで、帯域が細かったのかもしれません(そう、この歳になって学生とバンド活動っていうのにも感激でした)。

一方でなかなか難しいのがバランス調整です。ネット転送速度などの制限から、それぞれモノラルで信号が送られてくるのですが、それをNETDUETTO β上のミキサーで音量調整することができます。ただし、自分が演奏しやすいように調整すると、必ずしもキレイなバランスにはならないし、相手の音がよく聴こえると、今度は自分の音がモニターしづらかったりと、このミキシングがNETDUETTO βを上手に使うためのコツなのかもしれません。

音量バランスやパン調整可能なミキサー機能が搭載されている

夜22時にネット上で集合してスタートしたセッション。もともと予定していなかった曲などもいろいろ演りながら、あっという間に24時。体力的な限界もあって、次回までにもっと練習することを約束し、この日の演奏はそれで終了としました。普通、スタジオに練習に出かけていたとすれば、その後、ファミレスに食べにいくとか、機材を持ってクルマを運転して遠い自宅まで帰る……など眠りにつけるまで何時間もかかるところですが、NETDUETTO βなら自宅ですからね。次の日の心配をすることもなく、すぐに休めるというのも嬉しいところです。

なお、このNETDUETTO βとニコ生放送を組み合わせたサービスがニコ生セッション♪。ある意味NETDUETTO βでのセッションが練習スタジオだとしたら、ニコ生セッション♪はライブ、という感じでしょうか。ニコ生セッション♪に関する記事は、以前AV Watchで掲載しているので、そちらも合わせてご覧ください。

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【関連サイト】
Y2 PROJECT

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