4月7日、ドイツのMusikmesse 2011で発表されたYAMAHA製品に関する国内での記者発表会が行われ、MOTIF XSの軽量化版MOX6/MOX8などとともにSteinberg製品がいくつか発表されました。目玉は5年ぶりとなるソフトサンプラーHALion4だったのですが、こちらは参考出品ということで、チラ見のみ。
一方でエントリーユーザーにとって嬉しい発表が、Cubase6シリーズのエントリー版としてCubase Elements 6が発表されたことです。オープン価格ですが実売が19,800円と手ごろながらWindows/Macハイブリッドで32bit版に加え64bit版にもネイティブ対応しているのが大きな特徴です。
ご存知のとおり、Cubase5シリーズでは上からCubase 5、Cubase Studio 5、Cubase Essential 5と3つの製品がありましたが、Cubase6シリーズでは、すでに発表されているCubase 6、Cubase Artist 6に加え、今回のCubase Elements 6と名前が変わっています。個人的には「SONARがSONAR X1 PRODUCER、SONAR X1 STUDIO、SONAR X1 ESSENTIALと真似(!?)してきたから、わざと違う名前にしたのでは…」なんて思ってしまいましたが、名称変更にともない、スペック的な差も変化させたとのことです。
もちろんシリーズ間での見た目やUIなどはソックリであり、パッと見での区別はつきません。主なスペックの差は下の表のとおりであり、Cubase 6にしないなら、Cubase Elments 6で十分なのでは……という気もしますが、みなさんはどう思われるでしょうか?
プラグインのソフトシンセはHALion Sonic SE (マルチティンバーのプレイバックサンプラー)、Groove Agent ONE (ドラムマシン)、Prologue(アナログモデリングシンセ)の3種類ですが、エフェクトのほうは結構充実しており34種類のVSTプラグインが標準で装備されています。、
また、今回のCubase6シリーズで実は大きいのが、プロジェクトファイルの互換性です。従来のCubaseでは上位バージョンで保存したプロジェクトを下位バージョンで開こうとしても、ダメと言われてしまう問題がありました。が、今回はCubase6シリーズ間で互換性が保たれたため、そうした心配はなくなりました。もちろんプラグインが入っていないとうまく鳴らないとか、制限を越えるトラック数のファイルは扱えないのは事実ですが、とりあえず、互換性が保たれたことは歓迎です。まあ、当たり前の機能だとは思いますけどね。
なお、Cubase5シリーズではさらにその下にCubase AI 5(YAMAHAおよぼSteinberg製品へのバンドルソフト)、Cubase LE 5(TASCAMなどその他メーカーへのOEMソフト)がありましたが、現在のところCubase6シリーズでのAI/LEはリリースされていません。
■Cubase 6シリーズ間での基本スペックの違い
Cubase 6 | Cubase Artist 6 | Cubase Elements 6 | |
オーディオトラック数 | 無制限(理論上) | 64 | 48 |
MIDI トラック数 | 無制限 | 128 | 64 |
インストゥルメントトラック数 | 無制限 | 32 | 24 |
インプット/アウトプット数 | 256 | 32 | 24 |
グループチャンネル | 256 | 32 | 16 |
FX センドチャンネル | 8 | 8 | 8 |
FX リターンチャンネル | 64 | 64 | 8 |
VST エフェクトインサートスロット | 8 | 8 | 8 |
MIDI エフェクトインサートスロット | 4 | 4 | 0 |
VST インストゥルメントスロット | 64 | 32 | 16 |
同時ミキサー表示数 | 3 | 1 | 1 |
付属 MIDI エフェクトプラグイン | 18 | 18 | 0 |
付属 VST オーディオエフェクトプラグイン | 60 | 41 | 34 |
付属 VST インストゥルメント | 8 | 6 | 3 |
付属 VSTi サウンドプリセット | 1.900 以上 | 1.400 以上 | 550 以上 |
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