iRig対抗のiPad用ギターコネクタ、AMPKIT LiNKを使ってみた

iPadやiPhoneをギター用のツールとして利用している人が増えています。ただ、iPadやiPhoneは直接ギターと接続することができないため、これらを接続可能にするインターフェイス(接続変換器)が必要となります。その代表がイタリアIK MultimediaのiRigであり、大ヒット製品となっています。
でも、それ以外にもいくつかあるのをご存知でしょうか?国内では輸入代理店がない(正しくはなかった)ため、海外から個人輸入する必要があるのですが、私の知っている範囲ではアメリカのPeavey ElectronicsのAMPKIT LiNKという製品とアメリカのGriffin TechnologyのGuitar Connection Cableの2種類です。
GuitarConnectionCable(左)とAMPKIT LiNK(右)を購入してみた


昨年9月、この2つをインターネットを使って個人輸入してみました。そう、以前に紹介した「iPad&iPhone音楽制作ガイド」を書くためでした。結構面倒だったのが、AMPKIT LiNKのほうでしたが、今回はこれについて紹介してみましょう。

このAMPKIT LiNK、iRigが発売された直後くらいからアメリカのサイトでは発表がアナウンスされ、写真やデモビデオがWeb上にありました。

が、なかなか発売されず、ようやく昨年9月に発売されたので、買おうとしたのです。が、そのときは日本に代理店はなく、いろいろ探した結果、アメリカの通販ショップが日本にも発送してくれるようだったので、29.99ドルで注文したのです。

送料無料とあったので、「ホントか?」と思いつつ注文したら、数日後メールが来て、「送料は39,99ドルだけで、いいか?」とのこと。「なんだよ、やっぱりか」とブツブツ思いつつも、1ドル80円近いレートなので、「ちょっと高いけど、まあいいや」と購入したわけです。日本円換算で、だいたい5600円ほど、という計算でしょうか。

で、今どうなっているんだと調べてみたら、10月から名古屋のキョーリツコーポレーションという会社が代理店になり、12月から5,250円で販売していたんですね。調べると、Amazonで3,980円で売っているんですから、ちょっと損をした気が……。
まあ、すぐに記事にしてればよかったのですが、そのときは、あまり急いで記事を書いても……、という思いがあり、そのまま放置していた、というのが正直なところ。というのも、すでに発売されていたiRigと比較してのメリットをあまり感じなかったからです。

まず基本的な考え方、使い方はiRigと同様の機材です。つまり、iPhoneやiPadのヘッドフォン端子に接続すると、内部的な回路を通じて、ギター入力とヘッドホン出力に分岐してくれるというもの。

白いコンパクトな機材、AMPKIT LiNK

Peavey Electronics自身がAppStore経由でAmpKitというギターアンプシミュレータ+ストンプエフェクトのアプリを無償で配布しており、これを利用できます。ただ、AMPKIT LiNKが単純なアナログ接続であるため、とくにプロテクトはなく、iRigでもこのアプリを使うことができるし、反対にAmpKitでIK MultimediaのAmpliTubeを使うことも可能です。

ギターアンプシミュレータのAmpKit

で、その肝心のハードウェアですが、白いプラスティックボディーの機材でそこそこ、デザイン的にもいい感じです。iPadやiPhoneに接続するケーブルが直付けで搭載されているほか、反対側にはギター入力コネクタおよびヘッドホン出力コネクタが装備されています。

左がヘッドホン出力、右がギター入力

よく見ると、緑色のLEDが搭載されていますが、iPadなどの端子から電力供給できるわけではないので、AMPKIT LiNKに電池を搭載する必要がある設計です。実際、ふたを開けると、単4電池2本が入れられるようになっています。ただ、電源スイッチなどはなく、単純にギターのシールドを挿し込むと、電源が入るという構造なんですね。

単4電池2本で駆動する

ただし、電池を使用するだけに、機材はiRigと比較して大きく、重くなってしまうのも事実です。もっとも電池を使うアクティブ回路であるだけに、出力が大きくなるのも事実。ただ、それが裏目(?)に出て、ヘッドホン出力が大きくなり、音が思い切り割れてしまうんですよ。だからこそ、「ダメダ、こりゃ」と放置していたわけですね。

が、先ほど改めてAmpKitを起動すると「ボリュームを65%以下に絞れ、さもないと、音が割れるぞ」というメッセージが出ていることに気づきました。

音量を小さくしないと音が割れる旨のメッセージが表示されるようになった

当初そんなメッセージは出ていなかったように思うので、アップデートでそうなったんでしょうね。普段80%以上にしているので、音が割れていたわけです。すぐに自分で気づけばよかったのですが、それほど爆音とは感じなかったから、単にボロい設計だと思っていたわけです。

試しにボリュームを絞ってみると音割れはなくなり、問題なく使えます。音質的に、悪くないですね、というかいい感じです。

価格的にもiRigと比較して若干安いですし、iPadやiPhoneのレベルを絞る分、本体の電源が持つという可能性はありそうですよね。電池が入ってそれなりの重さがあるため、使う場合には机の上に置くなどの制限が出てきますが、ボリュームさえ絞れば悪い機材ではなさそうですね。

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