11月18日、三才ブックスから「iPad&iPhone 音楽制作ガイド」というDTM本を出版しました。タイトルのとおり、iPadおよびiPhoneに焦点を当てたDTMのノウハウ本で、B5変形サイズ、オールカラーの130ページというもの。価格は1,600円+税となっています。
これまで、このDTMステーションで自分の書籍の紹介とか宣伝などはしたことがなかったのですが、たまにはそんなことをしてもいいのではと思い記事にしてみました。また三才ブックスが公開している情報に、この本の内容があまりハッキリ書かれていないということも理由のひとつです。
ご存知のとおり、iPadをテーマとした本はすでに3冊出ていました。具体的には学研の大人の科学SPECIAL EDITIONとして登場した「本格的アプリ使いこなしマニュアル iPad+iPhoneで楽しむ楽器+音楽制作アプリ150」、リットーミュージックの「iPhone&iPad音楽アプリガイド」、そして技術評論社が出した「iPhone, iPad and Music~手のひらの音楽スタジオと楽器で遊ぶクリエイターズガイド」のそれぞれ。いずれもiPadやiPhoneのDTM系アプリ紹介をしたものであり、よくできていると思います。
私自身も、こういう本を出そうと5月ごろから何社かの出版社と話をしていたのですが、出版不況ということもあり、なかなか動きが悪くスタートできないでいました。ようやくやろうと決まったのが8月に入ったころ。ちょうどその直後に学研の本が発売され、リットーミュージックの本登場してきたところだったのです。当初はアプリ本をとも考えていたのですが、もっと周辺機器を交えたノウハウ本にしようと企画していたので、まあ、内容的に相乗効果は出てもバッティングはしないとの判断で、動き出したわけです。
執筆自体は9月いっぱいでその大半は終わっていたものの、編集サイドがほかの業務に忙しく、なかなか進まず、ようやく11月18日の発売となりました。
この本でもアプリの紹介はある程度してはいますが、メインは周辺ハードウェアとの連携、PCのDTM環境との連携といったノウハウをテーマにしています。そのため、アプリ紹介も、USBオーディオインターフェイスを介したレコーディングであったり、MIDI Mobilizer経由でのMIDI接続といったことを大きなネタにしています。
そのため、このDTMステーションやAV WatchのDigital Audio Laboratoryで私が紹介してきた記事と被る部分も結構あることは確かですが、そこで紹介していない技、情報なども結構盛り込んでいるので、ネットで検索しながら情報を探すよりも効率的かなと思っています。
全部で10章立てとなっており
PART1 オーディオ出力の強化
PART2 マイク&オーディオ入力の強化
PART3 オーディオインターフェイスの活用
PART4 ギタリストのためのiPad&iPhone活用術
PART5 MIDIインターフェイスの活用
PART6 iPad&iPhoneでDAWソフトをコントロール
PART7 パソコンのDTM環境との連携
PART8 iPad&iPhoneでのDJプレイ
PART9 周辺機器カタログ
PART10 おすすめアプリ解説
という構成。この中にもいろいろとノウハウ系のコラムを埋め込んでいます。
PART1では、DOCK接続タイプの各メーカーのオーディオ機器を、PART2では、ヘッドフォン端子およびDOCK接続タイプのマイクを中心に紹介しています。また、PART3は例のUSB接続の話で、iPad Camera Connection Kitを使ったUSBオーディオインターフェイスの接続法を紹介、PART4ではiRigやGuitar Connection Cable、AmpKitなどを紹介しています。Guitar Connection CableおよびAmpKitはそれぞれ、アメリカから個人輸入してみたので、これらについてはまた別途DTMステーションの記事で紹介してみようと思っています。
さらにPART5ではMIDI Mobilizerの活用を中心に、WiFiを使ったMIDI接続なども紹介。本当はiOS 4.2登場以降、CoreMIDIについても実例で紹介したかったのですが、まだリリースされていなかったので、コラムに留めています。そのほか、PART6ではiPadをコントロールサーフェイスとして使う方法、PART7ではPCでCubaseやSONARを動かしながら、それとiPadをどう連携させて、同期させるかといった紹介をしています。
それぞれアプリの話も絡めつつ、いわゆるアプリ紹介本ではないので、既存の3冊とは棲み分けができるし、両方読むことで相乗効果を発揮できるのでは……と思っているのですが、いかがでしょうか?
惜しかったのは、本が校了した翌日にiMS-20が発表されたということ。できれば、このネタを入れつつ、表紙に使いたかったな、と。まあ、どんどん新しいツールが登場してくる活気ある世界だから仕方ないところかもしれませんね。