最近、よく話題になっているオーディオグッズが、iPhoneやiPodなどのポータブルオーディオをターゲットにしたヘッドフォンアンプ。これを使うことで、音質がグッと向上するという触れ込みです。
以前に使ったものが、iPod本体よりも大きく重たく、多少音がよくなっても、こんなもん持ち歩きたくない、と感じて以来使っていませんでした。が、先日ヒビノインターサウンドから発売されたiBasso AudioのT3 Hj(実売価格12,800円程度)というものが、かなりコンパクト。ヒビノからサンプルをお借りできたので、ちょっと試してみました。
そもそも、ヘッドフォンアンプって何? と思う方もいるでしょう。文字通り、ヘッドフォン用のアンプなのですが、大きく分けると従来からあるスピーカーを鳴らすための大きなアンプにつけるタイプと、iPodなどにつけるタイプの2種類があります。前者は、本来スピーカーを鳴らすためのアンプなので、それをヘッドフォンに最適な出力に変換するためのものです。
それに対し、後者は最近流行りの製品で、ポータブルオーディオの出力を増幅することで、音量・音質を向上させようというものです。でも、そもそもiPodなどはヘッドフォン出力があるので、わざわざここに取り付けて意味があるの?と疑問に思う方もいるでしょう。確かにバカバカしい気がしないでもないのですが、実際使ってみると、これが結構効果があるんですね。
まずはiPodの音量が小さく、迫力がないと感じている人にとっては大きな武器になります。もともとポータブルオーディオは、省電力設計となっているために、ヘッドフォン出力も大きくありません。付属のヘッドフォンなどだと、そこそこの音量が出ますが、いいヘッドフォンなどを使うと電気的特性などの問題もあて、出力が弱めに感じてしまうのです。そこで、ヘッドフォンアンプを使うことで、音量を上げることができるとともに、本来のあるべき出力レベルが得られるので、いい音で聴こえるという理論なんです。
そこで使ってみたT3 Hj。薄型のライターみたいな大きさでバッテリー込みで28g。付属の15cmのケーブルでiPodなどと接続して使います。軽いのでいっしょに持ち歩いてもほとんど気にならない感じです。
ちなみにバッテリーは内蔵のリチウムポリマー充電池で、1度の充電で38時間の連続使用ができるというなかなかの長寿命。充電には付属のUSBケーブルを使う形となっています。
さっそく電源をオンにして鳴らしてみました。ボリューム調整で音量をiPodでのものと同じ程度に上げてみたところ、音質の違いはほとんど感じられません。そっくりそのままの音というイメージです。別の言い方をすればノイズは入ってきていないし、妙な音質変化もないな、と。で、さらに音量を上げていくと、おぅ!という感じ。そうiPodでは絶対に出せない音量レベルまで上げられるのです。これはなかなかの迫力ですね。
一方、よく見てみると電源の隣にGain1、Gain2という2つのスイッチがありますが、これは何でしょう?試しにGain1をオンにすると、低音を中心にガツンとブーストされた感じです。一方、Gain2をオンにすると、少し控えめなブースト。両方オンにすると、ドカンというブースト感。実はこれ、0dB、+3dB、+8dB、+10dBと4段階でゲイン調整をするスイッチになっているようです。単なる音量調整とは違い、ボタンをオンにするごとに新たなパワーが加わるというイメージで気持いいですね。
さすがにGain1、Gain2をオンにして、音量を最大にすると大きくなりすぎて歪んでしまいましたが、パワー不足に不満を感じている方には十分お勧めできるグッズですね。もちろん、iPhoneやiPadでのDTMのモニター用にも使えるアイテムです。
【関連情報】
iBasso Audioサイト