KORGがバックアップのもと結成されたという女性2人組のビート・ヒッティング・ユニット、その名も「KOR=GIRL(コル・ガール)」が7月21日、「KOR=GIRL I」というミニアルバムでメジャーデビューします。昨年登場したKORGのパーカッション・シンセサイザ、WAVEDRUMを全面に打ち出してのユニットなのですが、ユニークなのはネーミングに留まりません。
なんとそのメジャーデビューのミニアルバム全6曲をリリース前にすべてMP3で無料での配信をはじめてしまったのです。しかも、期間限定というわけではく、ずっとそのまま公開という形で……。
まあ、これだけP2Pで曲が流通している中、いまさらDRMでコピープロテクトをするなんて、ナンセンスという思いが個人的にもありますが、メジャーがそれを正面から無料で公開してくれるとなると、時代の変化を感じてしまいます。
しかも、その公開方法もご丁寧に1曲ごとにZIPでの圧縮ファイルとなっています。MP3をそのままリンクさせていると、ストリーミング再生のようになってしまい、ダウンロードしにくいという配慮があるのでしょう。
解凍してみると、160kbpsのMP3となっています。その点でもケチったりしていないんですね。十分なクォリティーのサウンドで聴くことができます。KOR=GIRLのプロデューサーであるTerukado氏の意向での全曲無料配信だそうですが、やはり権利上の調整がつかなかったため、現在は“Free Download Edition”として配布をしているとのこと。法律やら社会のシステムがついてこないんでしょうね……。
MIKOTOとFUJIのふたりともがボーカルとWAVEDRUMを担当するというユニットなのですが、聴いた瞬間にイメージしたのがCIBO MATTO。曲調と英語での歌い方の雰囲気なのかな、10年前に止まったままになっていたCIBO MATTOの再来という感じで個人的にとっても好きです。
レーベルからは以下のようなメッセージが届いています。
「Think differentのキャッチコピーでコンピューターを変えたアップル、
ハイスペック路線に進んでいたゲーム業界に一石を投じたWiiのように、
音楽を送り出している僕らのような人間も、変わらなければならない。
コンテンツを記録したモノを売るという考え方を離れ、
音楽がもっと可愛がられる、楽しんでもらえる、
音楽体験を提供していかなければならない。
発想を転換していく第一歩にしたいと思っています。」
われわれリスナーにとっては、とっても嬉しいことだけど、これでビジネスとして成り立つのかな……と心配にもなってしまいます。とはいえ、今後はメジャーであってもライブとライブでのCD直販が主体という世の中になっていくのかもしれません。
【関連サイト】
KOR=GIRL公式サイト
KOR=GIRL全曲無料配布!これはTerukado氏の暴挙?それとも快挙なのか?