先週、AV Watchの私の連載、Digital Audio LaboratoryでiPadでUSBオーディオインターフェイスを使うという記事「第418回:iPadに裏技? USBオーディオが使用可能~Camera Connection Kitで接続。録音再生が可能に ~」を取り上げたところ、かなりの大反響をいただきました。
iPadのDOCKコネクタにApple純正のオプション品であるiPad Camera Connection Kitを取り付けるとUSB端子を搭載することが可能になり、そこにUSBオーディオインターフェイスを取り付けると、動いてしまうという内容です。
記事をご覧になった方はお気づきの通り、一旦記事をアップした後、追加試験を行ったところ、使えるオーディオインターフェイスが増えました。その追加試験結果については簡単な表で掲載しただけでしたが、もう少し具体的な状況について、ここで補足してみましょう。
iPadにUSBオーディオを接続して音を出したり、レコーディングする方法の詳細についてはAV WatchのDigital Audio Laboratoryのほうを参照いただきたいのですが、簡単にいうと、DOCKコネクタにiPad Camera Connection Kitを取り付けると、USB端子が使えるようになるので、ここにUSBオーディオインターフェイスを取り付けるのです。
これによって、通常のヘッドフォン端子側の回路が切れて、USB側にオーディオの入出力が切り替えられます。そう、再生だけでなく、レコーディングも可能となり、まさにDTM用途として大きな力を発揮できるようになります。
ただし、USBオーディオなら何でも使えるというわけではありませんでした。まず、iPadにドライバを入れるということができないため、WindowsやMacでもドライバ不要で動くオーディオインターフェイスに限られます。しかも、iPadから供給できる電力が非常に微弱であるため、いろいろと試してみた結果、まともに動くのはCakewalkのUA-1G程度だったのです。
ところが、記事を書き終えて、原稿も公開された後に、Camera Connection KitとUSBオーディオの間にACアダプタで電源供給できるUSBハブを入れれば動くのではと思って、実験をしてみたところ、結構動いてしまったのです。
具体的にはCakewalk/EDIROLのUA-4FX、UA-25EX、そしてM-AudioのFast Trackの3機種がiPadに認識され、iPod機能上に、各機種の名前も表示されたのです。このようになったとき、iPad側では音量コントロールは効かず、ストレートにオーディオインターフェイスへ出力されます。そのため、S/PDIF出力搭載の機種の場合、まったく音に劣化がない状態のまま、取り出すことも可能となるのです。
なお、ONKYOのSE-U55Xの場合は、iPod機能上に機種名は表示されず、音量コントロールが効く形となっていたものの、音は出ることが確認できました。ただ、やや動作が不安定で、うまく接続されないこともあるといった状態になりました。
読者からのメールやTwitterでの連絡で、ほかにもZOOMのH4nなどさまざまな機材が使えているようです。ただ、私のほうでまったく問題なく動作している機種でも、プチプチとノイズが入ってしまうという報告もあるため、もう少し検証していく必要はありそうです。
それから、AV Watchの記事ではまったく触れませんでしたが、このiPad Camera Connection KitをiPhone、iPod touchに接続しても、まったく使えませんでした。