DTMアプリケーションが続々と登場しているiPhone、iPadですが、これまでひとつ肝心なものが足りませんでした。そう、MIDIインターフェイスです。確かにiPadなどのタッチパネル上に鍵盤を表示させて弾くのもいいでしょう。でも、真剣に使うのなら、MIDIキーボードを使いたいところです。
ここにきて、そのMIDIインターフェイスが発表されました。開発元は、ギター用アンプシミュレータ“POD”で有名なLINE6。すでにアメリカでは出荷が開始されているようですが、では6月に発売される予定で、実売予想価格が7,900円となっています。
MIDI Mobilizerという、そのMIDIインターフェイスを一足早く借りることができたので、数回にわたって、これがどんな機材なのか紹介してみましょう。
まず、このMIDI Mobilizerは公式にはiPhoneおよびiPod touch用となっており、メーカー側ではiPad対応については言及されていません。残念ながら、いま私の手元にiPadがないので、検証できていませんが、海外のユーザーサイトを見ると、動いているようなので、使えそうではあります。これについては、5月28日、iPadが入手できた時点で確認してみたいと思います。
どんな機材なのかというと、iPhone用というだけに、とても小さなもので、DOCKコネクタに差し込む約4cm四方、厚さ約1cmのプラスティック製のものです。とくに電池を入れる必要もなく、電源はiPhone側から供給されるようになっています。
DOCKコネクタの反対側には2つのミニジャックが用意されており、左がMIDI IN、右がMIDI OUTという構成になっています。「なんでMIDIなのにミニジャックなんだ?」とお思いの方もいるでしょう。
そう、このMIDI Mobilizerには、ミニジャックをMIDIに変換するケーブルが2つ用意されており、これでキーボードやMIDI音源モジュールなどと接続ができるというわけです。
また、MIDI信号が送受信されているかを確認するためのインジケータも搭載されています。それは入力端子、出力端子の上にある三角がそれで、信号が通ると赤く光るようになっているので、動作状況がすぐにわかるというわけです。
基本的なハードウェア構成としては、たったこれだけのものです。とはいえ、これでiPhone、iPadでMIDIが使えるようになると考えれば、かなり期待したいところです。
ただし、早とちりしてはいけません。このMIDI Mobilizerを取り付けたからといって、iELECTRIBEを外部のシーケンサとMTCで同期ができるわけではありません。同様に、すでにある各種シンセサイザをMIDIキーボードから鳴らしたり、シーケンサソフトで、外部のMIDI音源モジュールを鳴らせるわけではありません。
というのも、既存のソフトはMIDIインターフェイスがあることを前提とした開発をされていないからであり、今後、MIDI Mobilizer対応がされれば、初めて使えるようになるのです。
とはいえ、LINE6からは無償で使える、ごく簡単なMIDIレコーダー/再生ソフト“MIDI MEMO”がiTunes App Storeで提供されています。さらに本日5月17日より“MIDI Surface”というソフトも700円での発売がされました。
これらソフトウェアについても、後日紹介する予定です。
【関連サイト】
LINE6 JAPANのMIDI Mobilizerのページ