先日「AI自動作曲機能でクリエイターを支援するサービス、Amadeus Codeがサービス開始」という記事でも、その概要を紹介したとおり、日本のスタートアップ企業がAmadeus CodeというDTMユーザー向けのユニークなサービスを開始し、順調にユーザー数を伸ばしているようです。ご存知ない方に簡単に説明すると、これはオーディオサンプル、ループ音源、MIDIデータなどの素材をダウンロードできるWeb上のサービスで、特徴的なのは、もとの音源をAIが自動作曲しているという点す。
実際にサイトを覗いてみると、驚くほど音の完成度が高く、さらに従来の素材サイトと比較して、圧倒的に早く欲しい素材、音を見つけることができます。数多くのヒット曲を手掛けてきた音楽プロデューサーでもあるAmades Codeの代表取締役 井上純さんが運営しているということもあり、安心して使えると同時に、作曲家に寄り添ったサービスになっているのも大きな特徴です。実際に新規登録するところから、サンプルをダウンロードしてDAWで音楽制作するところまで試してみたので、その使い勝手などを見ていきましょう。
近年続々と登場してきているAI自動作曲ツール。DAWで使えるプラグインタイプ、ソフトウェア、スマホのアプリなどでユーザーは利用できるわけですが、Amadeus CodeはWeb上でAIによる作曲の支援を受けることができるというユニークなサービスです。
具体的には、AIによって作曲された曲データを元に、プロの音楽制作陣がそれにマッチした音色を設定するとともに、ある程度のアレンジを施した楽曲が数多く並んでおり、その数は日々追加されています。そした各楽曲のステレオデータ、それを構成するMIDIデータ、ループ素材、ワンショットが素材として並んでいて、これらをダウンロードして使うことができるというサービスになっているのです。
つまりAmadeus Codeは、いわいゆる素材集サイトの一つという位置づけで、Splice Soundsなど競合となるサービスです。これまでこういったサービスは、海外が中心でしたが、Amadeus Codeは日本のサービスであるため、日本語環境で使いやすくなっているのも好感度が上がるポイントでもあります。
前述の通りAmadeus Codeの特徴はAIが作曲し、プロ制作陣が仕上げた楽曲を元にして、それを構成するリズム、メロディ、ハーモニ、ベースなどのサンプルやMIDIを素材として入手できるのですが、ユーザーにとって気になるのは、元の楽曲のクオリティー。数多くの楽曲がありますが、まずは、その元となっている楽曲のひとつを、Amadeus Codeのページからキャプチャして動画にしてみたので聴いてみてください。
いかがでしょうか?完成度の高い楽曲ですよね。この曲の場合、これを構成するリズム素材が5種類、メロディ素材が10種類、ハーモニー素材が11種類、ベース素材が6種類、そしてMIDIデータが3種類あり、それぞれ個別に試聴でき(MIDIデータを除く)、気に入ったものをダウンロードできるようになっているのです。
このダウンロードした素材を使って作った楽曲は、すべてユーザーに権利が帰属するので、自由に使って大丈夫。数多くのジャンルに分類されているので、ジャンルをたどって気に入った曲を見つけ出すのもいいし、トップページには、特集が表示されており、最新のコレクション、ポップセレクション、サマーセレクションなどが並んでいるので、ここから気に入った楽曲を見つけるといったことも可能です。
また、左側にはジャンルのほかにも、ムード、楽器、コレクションといった項目があり、これらをクリックすると、それぞれの絞り込み方で、楽曲を見つけることができるようになっています。
たとえばここでジャンルを選択すると、さらに細かく絞り込みを行うことが可能になります。
楽曲を再生してみて、よさそうな曲を見つけることができたら、「ループを見る」をクリックすると、ここから各データをダウンロードすることができます。以下の画像のように、もととなっているフルミックスの音源で使われている箇所が点灯しており、再生ボタンで個別にサンプルやループを再生可能。とりあえず気になった素材をブックマークできたり、すべてパッケージでダウンロードしたり、フルミックスの類似楽曲の検索だってできてしまいます。
そう、お気づきの方もいると思いますが、Amadeus Codeは完成している楽曲で使われている素材をダウンロードする形になっているため、自分の楽曲で欲しい音を圧倒的に早く見つけることが可能なのです。これは、ほかの素材サイトにはないアイディアであり、Amadeus Codeの画期的で特徴的なポイントでもあります。
実際の使い方については、見ればすぐにわかると思いますが、念のため
を以下にまとめてみました。初めての方は参考にしていただければと思います。
さて、実際に素材をダウンロードするためには、会員登録する必要があるので、その手順を紹介していきましょう。まず、Amadeus CodeのWEBページ(https://amadeuscode.ai/ja)にアクセスしたら、右上のサインアップをクリックします。
次に名前、メールベース、パスワードを入力して、利用規約と個人情報保護方針のチェックボックスにチェックを入れます。
「サブスクリプションを追加」と書かれたページに移るので、「ベーシック」を選択。
すると、「新しいサブスクリプションを追加」というポップアップメニューが表示されるので、「追加」をクリックします。
次に「Proceed To Checkout」をクリック。
カード情報を入れて、「Next」を選択します。
確認画面が表示されるので、間違いがなければ、チェックを入れて、次に進みます。
操作を続けていくと、「Amadeus Codeの曲を使うYouTubeチャンネルのURLを入力してください」と表示されるので、使用する場合はURLを入力します。
使わない場合は「続ける」を押すと、「許可リストに追加せずに続行しますか?」と表示されますが、同じく「続ける」をクリックします。ちなみにここの設定は、後で編集することも可能です。
Amadeus Codeの基本的な使い方とDAWへの読み込み
これにて、会員登録が完了しました。Amadeus Codeは、1か月500円というサブスクリプション型のサービスとなっており、この価格で月に70クレジット(1ダウンロード=1クレジット)あるので、70回までのダウンロードが可能です。70クレジットを使いきれなかったら翌月へのクレジットの繰り越しする仕組みになっています。
では、素材を探して、DAWでそのサンプルを使っていきます。まず、ジャンルから「EDM」を選択しました。
さらにムードから「上がる」を選択して、欲しい音を絞って探していきます。
結果的に3曲のフルミックスが見つかったので、各音源試聴していきます。
3番目の「134_フューチャーベース_上がる_シンセ_-_ボイス」がよさそうだったので、「さらに見る」から「楽曲の詳細」をクリックしました。
すると、楽曲のテンポやキーが表示され、ここでも「パッケージでダウンロード」「MIDIをダウンロード」が選択可能です。
下にスクロールすると、ループがあり、プルダウンメニューから「リズム」「メロディ」「ハーモニー」「ベース」を絞り込むこともできます。さらに下にスクロールすると、ワンショットのダウンロードも可能。
では、楽曲を作るのによさそうな素材をいくつかダウンロードしてみました。
ダウンロードしたWAVファイルは、ローカルに保存されていきます。もしなくなってしまった場合でも、ダウンロード履歴から再度ダウンロードすることが可能なので安心です。
さて、DAWにダウンロードしてきた素材を読み込んでいきます。使うのはStudio Oneなので、ファイルをタイムライン上にドラッグ&ドロップします。
音を重ねていき簡単に曲を作ってみました。Amadeus Codeを使うと、作曲のアイディアだったり、ヒントを得ることができるし、初めて作曲にチャレンジする人でもハードルが低く、楽しく曲作りを実現できると思います。
いかがでしょうか?誕生したばかりのサービスではありますが、使い勝手がよく、音のクオリティーも非常に高いことが分かったと思います。今後も楽曲が増えたり、アップデートを繰り返し、どんどん進化していくようなので注目しておきたいところです。月額500円から始められるので、1度試してみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
Amadeus Codeサイト