DTM定番のオーディオインターフェイス、UR22mkIIが今も現役の理由。UR22Cとの併売は今後も続く

Steinbergの大ヒットオーディオインターフェイス、UR22mkII。DTM入門として選ばれることも多く、長年ベストセラーが続いていました。昨年はコロナの影響でオーディオインターフェイスの需要が急増したこともあり、しばらく手に入らない状況も続いていました。しかしUR22mkIIについては生産体制が整えられ、入手しやすい状況になってきているようです。UR22CというUSB Type-C接続のモデルが発売されているので、UR22mkIIを旧機種と思っている方も少なくないようですが、やはり定番機種であるため、今も現役機種となっているようです。

見た目にもよく似たUR22mkIIとUR22C、価格面で見るとUR22Cが18,000円(税込)程度、UR22mkIIが15,000円程度と安いので、目的によってはUR22mkIIを選んだほうが有利という面も少なくないと思います。初心者の利用のみならず、たとえばちょっと出先で使う時などに便利なので、メインはハイスペックなオーディオインターフェイスを使っていて、サブ機としてUR22mkIIを選ぶといった使い方もあり。24bit/192kHz対応で音質的にも申し分ないし、堅牢な作りをしているので、ちょっと雑に扱っても大丈夫なのが嬉しいところ。人気機種だけによくご存知の方も多いとは思いますが、改めてUR22Cなどとも比較しつつ、紹介してみましょう。

1つあると便利なオーディオインターフェイスUR22mkIIは、まだまだ現役!

UR22mkIIとUR22Cは兄弟機

SteinbergのUR22mkIIは、UR22の後継機として2015年に発売された2IN/2OUTのオーディオインターフェイス。発売から6年経過してはいますが、機能面、スペック面で見ても、現行製品として見劣りはまったくなく、USBバスパワーで駆動するので、出先でも手軽に使用することができ、モバイル用途としても選ばれる存在です。また、CC(クラス・コンプライアント)モード対応のため、Lightning-USBカメラアダプタ経由でiPhoneやiPadと接続して使えたりもする汎用性の高さが魅力です。

兄弟機種としてUSB Type-C接続のUR22Cが存在しており、見た目もよく似ているので、どちらを選ぶべきか迷う方も少なくないと思いますが、大きな違いとしては、UR22CではdspMixFxテクノロジーというDSP機能が利用可能であり、ギターアンプシミュレーターをUR22C内で動かしたり、レコーディングのモニターだけにリバーブを返したりすることができるのが特徴。入出力端子数としては、UR22mkIIとUR22Cは同じですが、UR22Cは32bit/192kHzに対応しており、ヘッドホン端子の出力パワーも高くなっているという違いもあります。

UR22C(下)とUR22mkII(上)

UR22Cについては、以前「SteinbergがUSB Type-CモデルのオーディオインターフェイスUR22C、UR44C、UR816Cを発売。時代は32bit INTEGERに!」という記事で紹介しているので、詳細についてはこちらをご覧いただきたいのですが、UR22mkIIと機能的な違いがあること、また価格的にUR22CよりUR22mkIIが割安であることから、それぞれの役割分担ができてきており、いずれも現役製品として生産が続いているのです。

UR22mkIIは192kHz/24bitの2in/2out

では改めてUR22mkIIの細かいスペックを少し見ていきましょう。UR22mkIIは192kHz/24bit対応しており、D-PRE対応のマイクプリを2つ搭載、コンボジャックになっているので、マイクケーブルでもシールドケーブルでも接続することができます。ただ、INPUT2のみがHi-Z対応となっているため、ギターやベースを接続する際は、ここに繋ぎHi-Zボタンをオンにします。

コンボジャックが2基搭載されている

MIXというツマミをINPUT側に振り切れば入力した音をダイレクトでモニタリングすることができ、逆にDAWに振り切ればPC側の音だけをモニタリングすることができます。またPHONESのツマミでヘッドホンの音量を調節、OUTPUTでリア側に繋いだLINE OUTのボリュームを調整可能です。

MIXのツマミでモニタリングする音を切り替えることができる

リアを見てみると、LINE OUTのほかにMIDIのIN/OUTが搭載されています。また、コンデンサーマイクを繋ぐときに使う+48Vのファンタム電源スイッチは、ここに装備されています。

LINE OUT、MIDI IN/OUT、+48Vのファンタム電源スイッチが搭載されている

そして、UR22mkIIはUSBバスからの電源供給での動作だけでなく、microUSB端子からの電源供給も可能なので、POWER SOURCEスイッチが装備されています。USBバスパワーを使って、PCと接続するときにはPOWER SOURCEスイッチを右に切り替えます。

USBバスパワーで接続する際には、POWER SOURCEスイッチを右に切り替える

iPadやiPhoneでも利用可能

一方、iPadやiPhoneと接続する際にはスイッチを左に切り替えます。前述の通り、UR22mkIIのシステムがCC(クラス・コンプライアント)モード対応なので、Lightning-USBカメラアダプタ経由で接続することが可能。実際にGaragebandはもちろん、FL STUDIO Mobile、Auria Pro、MultiTrack DAW……といったDAWもすべて問題なく使うことができます。

iPadで動作する高性能なDAW、Auria ProももちろんUR22mkIIで動作する

そして、UR22mkIIにはiOS、Androidで使えるCubasis LEというDAWが付属しており、以前「iOS、Androidで使えるCubasisが3.2に進化。Wavesプラグインがさらに充実し、ピッチ補正のTune Real-Timeも利用可能に!」という記事で紹介したアプリの機能制限版が無料で使えます。最近のバージョンアップで動作は安定し、結構な機能・性能アップしているので、iPadやiPhoneをUR22mkIIに繋げて使うならこれがお勧め。Cubasis LEは、もともと無料のアプリですが、URシリーズを繋ぐとデモモードが解除され、レコーディングや編集など、すべての機能が使える仕様になっています。また3,600円のアプリ内課金によるCubasisへのアップグレード機能というものも用意されているのもポイント。通常6,000円するCubasisがURユーザーなら3,600円で入手になっています。

AppleのLightning-USBカメラアダプタ経由でiPhoneをURシリーズと接続すると、Cubasis LEの制限が解除される

さらに、Steinbergオーディオインターフェイスの最大の魅力といってもいいのは、DAWとして国内一番人気のソフト、Cubaseのエントリー版、Cubase AIがバンドルされていること。現在のバージョンはCubase AI 11となっており、これがUR22mkIIを購入すれば入手できるのは重要なポイント。エントリー版とはいえ、多くのDTMユーザーにとっては十分すぎる機能が搭載されており、オーディオレコーディングからMIDIの打ち込み、編集、さらにはミックスまで一通りの作業を行えます。

Cubase AIがバンドルされている

さらにUR22mkIIのほかに、その弟分「UR12」(市場想定売価は10,000円前後)や「UR22mkII Recording Pack」というDTMエントリーユーザー向けの全部入りパックも発売されています。

UR22mkIIの弟分に当たるUR12

このパックには、コンデンサマイク、モニターヘッドホンなどもセットとなっているから、これで一通りのことができてしまうのです。こちらについては、以前「Steinberg純正のDTM入門者向け全部入りパック、UR22mkII Recording Packをさっそく試してみた」という記事で紹介しているのでぜひご覧ください。手頃にすべてをまとめて揃えられるという、なかなか魅力的なセットになっていますよ。

「UR22mkII Recording Pack」

以上、UR22mkIIについて紹介してみました。販売価格は15,000円前後と、エントリーモデルの価格帯となっていますが、作りがしっかりしているので、かなり長く愛用できるオーディオインターフェイスですよ。これからDTMをやってみたいという人はもちろん、サブ機として活用できるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

【製品情報】
Steinberg UR22mkII製品情報
UR22mkII Recording Pack 製品情報
Steinberg UR22C製品情報
Steinberg UR12製品情報

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【価格チェック】
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