配信をする際にマイクの音声が小さかったり、エアコンなどのノイズが乗ってしまったり、声の音量にバラツキがでてしまったり……、なかなか調整がうまくいかなくて困っている方も多いと思います。問題を解決するために、オーディオインターフェイスを使ってマイクの音声を上げたり、ノイズ除去するプラグインを使ったり、コンプレッサーを使ったりしますが、ある程度の専門知識が求められるし、それなりの経験を積まないとなかなか上手くいかないのも事実。また、いちいち設定するのも面倒くさい部分でもあります。
そんな中、配信の音声を最適化するオールインワンプラグインDeeTrimCastが、Dotec-Audioからリリースされました。これは、マイクの音量調整、ノイズ除去、声のバラツキなど、配信の音声設定を圧倒的に簡単に行うことができる、魔法のプラグイン。VST2/3、AU、AAX環境で使えるプラグインであり、リアルタイム処理できるのですが、実用上を考えれば配信ソフトのOBS専用といってもいいユーティリティソフトです。普段は、音楽業界からの評価が高い音楽制作向けのプラグインを開発しているDotec-Audioが開発したソフトなので、品質は折り紙つき。実際に使ってみたところ、便利だったので、どんなことができるプラグインなのか紹介してみましょう。
さっそくですが、Dotec-Audioの飯島進仁さんが、DeeTrimCastの機能について説明した動画があるので、こちらをご覧ください。
いかがでしょうか?オンとオフで声の聴き取りやすさが全然違いますし、すごく簡単に使えることが分かると思います。UIはシンプルで、マイクの音量を調節するツマミとノイズ除去の具合を調節するツマミ、出力レベルを決めるレバー、ミュートボタンと難しい設定は一切ありません。ですが、裏ではいい感じになるように複雑なシステムが動いており、ここには開発者である天才フランク重虎さんの技術が詰め込まれています。
Dotec-Audioは、シンプルなUIで初心者でも扱えるものでありながら、裏ではその技術力でカッコいい音を出力するプラグインを得意とする日本のプラグインメーカー。超強力でかつレバー1つで音圧を爆上げできることで一世風靡したDeeMax、SNSや音楽ストリーミングサービスでカッコよく音を聴かせるマキシマイザーDeePopMax、曇った音をクリアにし、抜けのいい音に変換してくれるDeeCrystal、強烈な重低音をいとも簡単に実現できるプラグインDeeSubBass、2つのレバーだけで音質を大きく変化させられるDeeEQ……など、革新的なプラグインを開発しているわけですが、その中には音量を自動的に整えてくれるDeeTrimという製品があり、DeeTrimCastはそのDeeTrimを配信に特化させ進化したもの。
DeeTrimCastの特徴は、前述の通り簡単に操作でき、配信音声を最適化してくれるところにあるのですが、それに加えて動作がとてつもなく軽いです。というのも、映像はPCのパワーを使うから、なるべくCPUを使わないようにとにかく軽く作っているのだそう。また、本格的なツールが配信向けに進化しているので、実はナレーションやセリフの音量調整にも使える品質を兼ね備えています。
飯島進仁さんが動画でも説明しているように、PreAmpでは入力レベル調整することができます。オーディオインターフェイスにマイクを接続している場合は、オーディオインターフェイスの方でマイク入力を上げて、マイクで話したときにPreAmpの黄色いランプが光るようにします。調整できない場合は、PreAmpのツマミを使って、入力をレベルを上げます。黄色いランプが点灯していれば、適正レベルに達しているので、マイク音量調整はOKです。
NoiseSensは、DTM的にいうとノイズゲートのようなもので、話していないときの雑音をカットする機能です。エアコンの音、車の音……など、配信に関係ない音をカットすることで、声が聞こえやすくなります。正確にいうと、音楽制作で使われるゲートのように閉じている場合に音をミュートしているわけではなく、ゲートが閉じているときにはゲイン調整なしの状態、つまり音量を上げている機能をスルーしている状態になるので、かなり自然な出音となっています。
MUTEは、配信の際、瞬時に音声をミュートしたいときに使うボタンで、Dotec-Audioのユーザーへの気遣いが垣間見れる機能。大きく配置されているので、押しやすくなっていますね。
右側に配置されたメインレバーは、出力レベルを調整する機能。-12dB~+3dBの間で調整することができます。
DeeTrimCastの基本的な使い方は、まずマイクで話したときにPreAmpの黄色いランプが光るまで、PreAmpやオーディオインターフェイスのゲインを使って、入力レベルを調節します。次に、マイクで話していないときに上部に配置されたメインインジケータが光らなくなるまでNoiseSensを上げます。そして、メインレバーを使って最終の出力レベルを調節。という超シンプルなもの。DeeTrimCastなしでこれらの操作を行おうとすると、それぞれの機能がバラバラに配置されているので、探したり、調整するのが面倒くさいので、音声を最適化するツールが1つに集約されているのは、嬉しいですよね。
さらに、パラメーターがあるわけではないですが、「オートメーションを書かなくて済むプラグイン!?またまたDotec-Audioが生み出した魔法のツール、DeeTrimが凄い」という記事でも紹介しているように、DeeTrimのレベル調整を自動で行ってくれる機能が搭載されており、声のバラツキも整えてくれます。
また、DeeTrimCastは配信ソフトOBS Studioの使用を想定しており、DeeTrimCastをインストールしたら難しい設定を行うことなく、すぐにOBS Studioで使用可能。実際にOBSで使うには、まずOBSを起動したらマイクの歯車ボタンをクリックして、フィルタを選択します。
すると、マイクのためのフィルタウィンドウが表示されるので、左下の+ボタンをクリックしてVST 2x プラグインを選択。
フィルタ名を変える場合は、ここにフィルタ名を入力します。
VST 2x プラグインのプルダウンメニューから、DeeTrimCastを選択します。そして、プラグインインターフェイスを開くをクリックすると、DeeTrimCastの画面が表示されます。またアクティブな時にインターフェイスを開くにチェックを入れておくと、OBSを起動した際に自動的にDeeTrimCastが開くようになるので、ここにはチェックを入れておくといいでしょう。
これで、OBSでDeeTrimCastを使う設定は完了です。あとは、DeeTrimCastで音声の調整を行えば、快適に配信することができますよ。
なお、DeeTrimCastの価格は2,500円(税込)。さらにすでにDotec-Audio製品を持っている方であれば、1,500円のシリアルキー割引というものがあるので、1,000円で購入することができてしまいます。また、2つのレバーだけで音質を大きく変化させられるDeeEQ、SNSや音楽ストリーミングサービスでカッコよく音を聴かせるマキシマイザーDeePopMax、DeeTrimCastの3つがセットになって8,000円というBroadcastPackも今回登場しました。DeeEQで音質を調整したり、DeePopMaxを使って歌ってみた配信やDJの配信する際の迫力を上げたり、より魅力的な配信をするためのツールがバンドルされています。
以上、DeeTrimCastでしたが、この価格でこれだけの機能があるプラグインは、ほかにないと思います。配信に特化されているので使い勝手がよく、これならプラグインとかに詳しくない人でも簡単に使えますよね。また、DeeTrimCastをはじめ、BroadcastPackに入っている製品は、ゼロレイテンシーなので実際に使っても、違和感なく使用することが可能です。ほかのDotec-Audio製品と同じくデモ版は無料ですので、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか?
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