JBLの小さなリファレンスモニター、104-Y3が抜群にいい!憧れの同軸スピーカーが17,000円で手に入る!

今年1月のNAMM SHOWで発表されていたので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、JBLがDTMユーザー向けのリファレンスモニター、JBL PROFESSIONAL 104-Y3を発表し、日本では8月7日より発売されます。104-Y3はコンパクトながら30W+30Wを実現するパワフルなモニタースピーカーで、低域ドライバーの中心に高域ドライバーを配置した、憧れの同軸スピーカー

普通同軸スピーカーというと、数十万円クラスとなるのに対し、このJBLの104-Y3はなんと左右のスピーカーセットで17,000円という破格値を実現。しかも日本の発売元となるヒビノ独自の3年保証モデルとして発売されるのです。実際試してみたところ、想像以上にパワフルで安定したサウンドで鳴らすことができたので、レポートしてみましょう。

コンパクトな同軸モニタースピーカー、JBL PROFESSONALの104-Y3が誕生

JBL PROFESSIONALの104-Y3はコンパクトなサイズのアンプ内蔵のモニタースピーカー。丸みを帯びたこのデザインが特徴的で、ノートPCとの組み合わせにもピッタリな大きさです。

丸みを帯びたスタイリッシュなデザインの104-Y3

私が普段使っている5インチのモニタースピーカー、YAMAHAのMSP5 Studioと並べてみると、とっても小さいサイズであることが改めてよく分かると思います。

5インチのモニタースピーカーと並べると、かなり小さいのが分かる

とはいえ、このサイズであっても30W+30Wというだけあって、ボリュームを上げていくと、トンでもないほどの爆音まで出せるのも重要なポイント。フロントにあるボリュームノブを廻していくと、どんどん音量は上がっていきますが、音が割れる・歪むということはなく爆音に。防音していない限り、一般家庭でフルに上げたら、近所から怒鳴り込まれますから、気を付けてくださいね(笑)。

フロントのボリュームノブで調整。最大にすると爆音に

ノートPCとの組み合わせでピッタリマッチするけれど、見た目の大きさバランスからする27インチディスプレイの横に設置すると、スピーカーがやや小さいかな、という印象も……。とはいえ音量的には十分ですから、机の上に大きいディスプレイを置きたいけど、スピーカーが大きくて設置しにくい、という人にも良さそうですよ。

27インチのディスプレイの横に置くと、ちょっと小さ目に見えるかも…

さて、この104-Y3の最大の特徴は、これが同軸スピーカー(コアキシャル・スピーカー)であるという点です。「同軸スピーカーって何?」という人も少なくないと思うので、簡単に紹介してみましょう。一般的な2Wayといわれるスピーカーは高い音域を出すツイーター(高域ドライバー)という小さなスピーカーが上に、中低域を出すウーファー(低域ドライバー)という大きいスピーカーが下に配置される構造になっています。

高域と低域のスピーカーが同心円状に配置されている

それ対し、同軸スピーカーはツイーターとウーファーが、同心円上に存在する構造になっているのです。このような形だから、下から上まで全音域がキレイに混ざり合って自然な音で聴くことができるというわけなのです。

とくにスピーカーから近い位置で聴く音楽制作現場でのニアフィールドモニターにおいては、同軸であることのメリットは大きく、違和感のない音でしっかりとモニターすることができるのです。104-Y3が同軸構造になっていることは、グリルネット越しに見てもハッキリとわかりますね。

グリルネット越しにも同軸構造になっているのが見える

ただ、これまで同軸のモニタースピーカーは1本10万円以上は当たり前であり、一般のDTMユーザーにはなかなか手を出しにくい存在でした。それがこの104-Y3の場合、ペアで実売17,000円程度と、これまでの常識を大きく変える価格帯になっているのです。しかも日本の代理店であるヒビノが独自に3年保証としてくれているので、安心して使えるというのも大きなポイントとなっています。

リアを見ると、マスタースピーカー(右)とエクステンションスピーカー(左)で端子が違うのが分かる

さて、実際にセッティングして使ってみました。この104-Y3、右側に設置するアンプ内蔵のマスタースピーカーと左側に設置するエクステンションスピーカーのセットとなっており、付属の電源用ケーブルを使うのは右側のみ。左のエクステンションスピーカーとは、付属の赤黒のスピーカーケーブルを用いて接続します。電源のオン/オフはリアのスイッチで行います。

オーディオインターフェイスとはTRSフォンで接続する

オーディオインターフェイスと接続する場合、リアにある標準フォン入力端子を用います。バランス仕様のTRSフォンに対応しているので、3極のジャックで接続するのが基本となります。

一方で、TRS標準フォン端子の上にはピンジャックのRCA入力端子もあるので、オーディオ機器などと接続する場合はこちらを利用します。では、この両方に接続したらどうなるのか、どちらが優先されるのか……、ちょっと試してみました。

結論からすると両方の音がミックスされて音が鳴るようになっていました。とくにRCAとTRSフォンの切り替えスイッチやバランス調整機能はないので、単純にミックスされるだけですが、それぞれ接続しっぱなしでも問題ないので、2台のオーディオインターフェイスと接続するとか、片方はCDプレイヤーに接続しておくなど、工夫次第で便利に利用できそうですね。

TRSフォンとRCAの両方から信号を入力すると、両方の音が出る

さらに104-Y3には、もう一つ入力が用意されているのです。それがフロントのボリュームノブの下のAUX INです。これはステレオミニジャックでの入力です。スマホからのオーディオ信号をここに入れたり、ポータブルプレイヤーからの音をここに突っ込んだりと、手元の音をちょっと鳴らすには便利です。

では、リアにTRSフォンの信号やRCAの信号が入っている状況で、このフロントのステレオミニジャックに信号を入れるとどうなるのか……。こちらはリアの2の入力を切り離し、最優先となるようでした。

フロントのAUX INに接続すると、それが優先される

なお、AUX INのさらに下にはステレオミニプラグのヘッドホン端子があります。これにヘッドホンを接続すると、104-Y3からの音は止まり、ヘッドホンからの出力だけになる、という仕様でした。

実際に鳴らしてみると、非常にバランスのとれたサウンドで使いやすいですね。やはり同軸が効いているのでしょうか、安定した音であり、細部まで聴き取りやすい音という印象です。小さい筐体なので、重低音だとビビるのでは…と思ったのですが、そうした心配もまったくなく、低域から高域までフラットに出ている印象です。

スピーカーケーブルに400円/mの少し太いケーブルを使ってみた

個人的には、あまりケーブルの種類を変えて使うこともないのですが、付属の赤白ケーブルから、手元にあった以前400円/mで購入したケーブルに変えてみたところ、音像がよりクッキリするような気がしました。この辺は趣味の範囲だと思いますが、数百円で効果がある可能性もあるので、試してみる価値はあるかもしれませんね。

左が付属のケーブル、右が今回試してみたケーブル

もう一つ試してみたのは、横置きです。これはサイドが丸みを帯びているので、そのまま置くのは無理。そこでゴム台を置いて設置してみたところ、いい感じになりました。同軸なので、あまり音が変化するという感じはなかったですが、通常は水平方向に出る音の向きを少し上げることも可能なので、使い方によってはよさそうですよ。もっともマニュアルなどにも横置きについての言及はなく、メーカー推奨の使い方ではありませんよ。

スピーカーの横置きも試してみた

もちろん、このゴム台は製品に付属しているわけではなく、まったく別に用意して使ったもの。ちなみに、これはオーディオとはまったく関係のない、ゴムスタンドなんですけどね。

ゴム台を使って横置きに設置すると少し角度をつけられるのもポイント

以上、JBL PROFESSONALの104-Y3について紹介してみました。改めて17,000円で、これだけの音が出せる同軸モニタースピーカーが入手できるというのは、すごく魅力的だと思いました。

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