以前「チップチューンの定番音源、ファミシンセIIがver3に!Minimoog風音源nanoogや無限音階オルガンmu-GENとともにWin/Mac対応し全部無料公開」という記事でも紹介したことのあった、mu-station(@mu_station)さんのフリーウェア音源に、また新たな音源が追加され、β版として公開されました。
今回公開されたのは、疑似音声合成音源の「ムライラム」こと「DoReMiLamb」というプラグイン。音階に合わせて「ドレミファ~♪」と歌ってくれるほか「ラララ~♪」とか「ふ~ふ~ふ~♪」のように歌わせることができるシンセサイザです。VOCALOIDのように自由に歌詞を歌うボーカルシンセサイザというよりは、もっと気軽に簡単に、そしてリアルタイムに歌わせることができるもの。どんなものなのか紹介してみましょう。
mu-stationことKiyoshi Muraiさんの本職は、ゲームミュージックの作曲家であり、さまざまな著名作品を手掛けてきた方(ここでは、そちらの名前は伏せておきますね)。その一方で、自らソフトウェア音源を開発し、フリーで公開するという活動を続けられています。
現時点で
nanoog(バーチャル・アナログシンセ)
mOrgan(モデリング・パイプオルガン)
mu-GEN(無限音階シンセ)
の4種類を公開してるほか、エフェクトとして
の5種類をリリースしていましたが、ここにDoReMiLambが加わったのです。
まずはちょっぴり、このDoReMiLambを鳴らしてみたので、どんな音なのかを聴いてみてください。
いかがですか?とってもシンプルでカワイイ音源なのが分かると思います。
このDoReMiLamb、演奏しない無音時はニュートラルモーションで手を振って愛嬌を振りまいてくれます。そして鍵盤を弾くと、そのキーにあったクチパクをしてくれるのも特徴。このアニメーションがカワイイんですよね。
プラグイン画面には鍵盤が表示されていますが、これは演奏させるためものではなく、キーを変更するためのもの。TRANSPOSEをONの状態で鳴らすと、そのキーにトランスポーズする形で歌ってくれます。
さらにスケールをメジャーにするか、マイナーにするかの設定もでき、どちらにするかによって黒鍵を弾いたときの歌が変わってくるようになっているのです。
先ほどのビデオを見てもお分かりいただけたかと思いますが、デフォルトはソプラノとなっていますが、テノールやバッソに切り替えることも可能。それぞれ音域的には3オクターブ程度となっています。
また歌詞については「Sing」の項目を切り替えることで、少し変化させることができます。デフォルトでは「DoReMi」に設定されているので、音階に応じて、「ドレミファ…♪」と歌うわけですが、そのほかに
Ah~
Ru~
Fu~
Uh~
が用意されており、「ララララ~」などと歌わせることができるわけです。
そのほかパラメータとしては音量を調整するVolume、リバーブを調整するReverb、そしてビブラートをかけることができるModulationが用意されていますね。
ところで、mu-stationさんは、これらの音源開発にSynthEditというシェアウェアを使っているそうです。mu-stationさんによると、ここ数か月でSynthEditが頻繁にアップデートを行て散る結果、Mac AU版のプラグインの生成も安定してきたとのことで、ファイシンセIIやnanoogなど、過去のソフトもエクスポートしなおして公開した結果、AUプラグインとしても安定的に動作するようになったとのこと。
なので、以前にダウンロードして使っている方も、最新版にアップデートするとよさそうですよ。
もっともSynthEditはAAXには対応していないので、ProToolsで使うことはできないのですが、Blue Cat AudioのBlue Cat’s PatchWorkというソフトを使うことで、VSTをAAX化して使うことができるほか、ほかのプラグイン環境でも自由に対応させることができるので、便利に使うことができます。
なお、今回、mu-stationさんが公開したのはWindows向け64bitVST3版 version 0.9beta。ただMac AU版をどうしても試してみたいという方は、ダウンロードは可能にしているようです。ただし、このMac版に関してはまだまったく安定していないので、使用する際は、ご自身の責任でお願いします、とのことです。
【関連情報】
DoReMiLamb情報ページ
mu-stationさんサイト
【ダウロード】
◎mu-station ⇒ DoReMiLamb Windows版
◎mu-station ⇒ DoReMiLamb Mac版
【価格チェック&購入】
◎beat cloud ⇒ Blue Cat’s Patch Work