イギリスのメーカー、Focusriteユーザー向けに行っているPlug-in Collective、およびnovationが行っているSound Collectiveというサービスをご存知ですか?ほぼ毎月のペースで、著名メーカーのプラグインを無料提供しているというもので、過去にAAS、BIAS AMP 2、EVENTIDE EQUIVOCATE、D16 GROUP、SOUNDRADIX……などが配布されてきました。
そして現在は、ソフトシンセであるBioTek organic synthesizer、リファレンスモニター環境を実現するための音場補正プラグインのSONARWORKSが無料提供中。Focusrite製品やnovation製品を購入し、ユーザー登録した人なら誰でもGETできるし、もちろん今、Focusrite/novation製品を購入してユーザー登録すれば、今後毎月のように新しいプラグインを入手できるので、DTMユーザーなら絶対チェックすべきサービスなのです。ご存知ない方も多そうなので、どんなサービスになっているのか簡単に紹介してみましょう。
Focusrite、novationが無料でプラグインを配布するサービスを展開中
赤くてオシャレなデザインながら低価格なオーディオインターフェイス、Scarlettシリーズや、プロ仕様の性能を装備したThunderbolt接続のオーディオインターフェイス、Clarettシリーズなど、Focusrite製品は、これまでDTMステーションでも何度も取り上げてきたのでご存知の方も多いと思うし、実際購入した人も少なくないでしょう。
ベストセラーとなっているUSBオーディオインターフェイスのScarlett 2i2 G2
このFocusriteのバックグラウンドについてご存知ないかもしれませんが、同社は単なるDTM機材メーカーというのではまったくなく、長年プロオーディオ業界で名をはせてきたトップブランドメーカー。世界中の多くのレコーディングスタジオにFocusriteのコンソールが導入され、数多くのヒット作を生みだしてきた名機を作ってきたメーカーなのです。
現在も、プロオーディオ用としてFocusrite Proブランドで展開しており、マイクプリアンプのISAシリーズやDanteネットワークを利用したRedNetシリーズなどは、レコーディングスタジオ、放送局などに導入されています。
一方、novationはMIDIコントローラーのLaunchpadシリーズやPeak、Bass Station II、MiniNovaなどのシンセサイザ、シーケンサ機能を装備して音楽制作ができるGrooveboxesシリーズなどを展開しているメーカー。DTMステーションでも「PCとの連携もバッチリ、アナログシンセ・Bass Station IIを内蔵するシーケンサ、Novation Circuit Mono Stationを使ってみた」、「シーケンサ内蔵でフィジコンとしてもCV/GATEにも対応する超多機能なMIDIキーボード、Novation SL MkIIIを使ってみた」なんて記事で紹介してきたので、ご存知の方も多いと思います。
このFocusriteとnovation、まったく関係ない会社のように見えますが、実は表裏一体となっているんです。もともとは別の会社であったのですが、2004年にFocusriteがnovationを買収しており、現在はFocusriteの一部門という位置づけなんですね。ただ、ネット上でみるとfocusrite.com、novationmusic.comと別々のサイトがあり、中身も違うのですが、ユーザー登録上の管理は同じになっているようで、そこが今回の記事のポイントにもなっているんですよ。
ちなみに、ブランド的にはFocusrite、novationのほかに、プロオーディオ向けのFocusrite Pro、そしてiOSアプリのAMPIFYの4つがあり、それぞれをうまく使い分けているようですね。
またFocusriteブランド製品およびnovationブランド製品の日本国内での流通は、現在、キョーリツコーポレーションとサウンドハウスが展開しています。これによって国内でのサポートもしっかりしているわけです(ちなみにFocusrite Proの日本国内流通はメディア・インテグレーションが展開)。
Focusrite製品、novation製品をユーザー登録すると入手でいるソフトシンセ、BassStation
そのFocusriteおよびnovationの製品を購入したら、各サイトにおいてユーザー登録ができるようになっています。残念ながら現在、これらのサイトはまだ日本語対応できておらず、英語サイトでの登録とはなるのですが…。製品によってはドライバなどの入手のためにユーザー登録が必須というケースもあるので、すでに登録している方も多いと思います。
Focusriteのビンテージエフェクトを再現するRED Plug-in Suite
実際登録した方ならご存知のとおり、これによって、製品にバンドルされるさまざまなソフトウェアが入手できるようになっています。製品によってバンドルソフトは異なりますが、DAWであるAbleton Live Lite、アナログモデリングシンセサイザのBass Stationや、Focusrite Proのビンテージ機材であるEQやコンプレッサをプラグインとして復刻させたRED Plug-in Suite、またループ素材集のLoopmastersなど、ある意味ハードウェア製品より高価なものが入手できたりするので、まだユーザー登録していない人、また登録したけれど、ちゃんとチェックで来てなかった人は、絶対によく見てみてくださいね。
そしてここからが本題。Focusriteおよびnovationのサイトからログインしてユーザーページに入り、「MY SOFTWARE」というところを見ると、バンドルソフトが入手できるようになっているほかに、
PLUG-IN COLLECTIVE
SOUND COLLECTIVE
という表示があり、3月28日現在、Plug-in CollectiveとしてはSONARWORKSが、Sound CollectiveとしてはBioTek organic synthsizerが入手できるようになっているのです。
そう、これらはユーザーが購入した製品にバンドルするソフトとして案内されたものではなく、ログインしたユーザーにプレゼントされるソフトなのです。しかも1回限りというのではなく、1、2か月に1度の頻度で更新され、どんどん新しいソフトが入手でき続けるというすごいサービスなのです。
Plug-in Collectiveとして過去に配布されたソフトを見てみると
・HOLIDAY PLUG-IN BUNDDLE
・POSITIVE GRID
・AUDIOTHINGS
・SOUNDRADIX
・D16 GROUP
・EVENTIDE EQUIVOCATE
・BIAS AMP 2
・APPLIED ACOUSTICS SYSTEMS
とそうそうたるプラグイン類が並んでいるんです。
ただし、これらは1~2か月と入手期間があり、その期間内にGETしないといけない仕組みであるため、いまユーザー登録しても、過去に配布されたソフトを入手することはできないんですね。そして、今配布されているソフトもBioTekは4月4日まで、SONARWORKSは5月2日までと期限が決まっているため、その間に入手しないと消えちゃいます。ただ1度手に入れれば、その後は使い続けることができますよ(SONARWORKSに関しては6か月間のライセンスで、2019年10月までとなっています)。
またPlug-in CollectiveはFocusriteが過去2年間でサービスを続けてきて、今後も続いていくもの。一方Sound Collectiveは今年1月末からnovationがスタートさせたもので、おそらく今後もPlug-in Collectiveと並行してサービスが続くものです。
実際どうやって入手するのか、試しにBioTekを入手してみたので、その手順を簡単に紹介していきましょう。REDEEM=「引き換え」ボタンを押すと、redeem codeとdiscount codeというものが表示されます。ここでもらえるのはBioTekというプラグインのシンセですが、最新版のBiotek 2は有償で、それを割引価格で入手できるdiscount codeも用意されているというわけです。
TRAKTONのサイトにジャンプするので、先ほどのコードや名前などを入力
そして、ここにはBioTekの開発元であるTRAKTON社の引き換えページのURLが記載されているので、ここをクリックすると引き換えページに飛ぶので、ここでredeem codeを「Enter Activation Code」という欄に入力。またTRAKTIONのユーザー登録も必要なので、名前やメールアドレス、パスワードなどを入力して登録を行います。
あとは指示に従って操作していけば、すぐにBioTekの入手ができます。見るとWindows版、Mac版、Linux版まであるんですね。自分のマシンにマッチしたものをダウンロードし、インストールしたら、DAWを起動してみると、再度メールアドレスなどとパスワードの入力を促されるので、先ほど設定したものを入力するとオーソライズされて、使うことができるようになります。
この手順はプラグインソフトの提供メーカーによって多少異なると思いますが、これによっていろいろなプラグインが入手できるというのは嬉しいところですよね。たとえばFocusriteのオーディオインターフェイスのエントリー機、Scarlett Solo G2なら12,000円弱、Scarlett 2i2 G2でも18,000円弱で入手できるので、Plug-in Collective、Sound Collectiveを目当てに購入しても損はないと思いますよ。少なくとも過去にFocusrite製品、novation製品を購入し、手元にあるという方は、絶対にチェックしてくださいね。
※2019.4.1追記
Focusriteの製品登録した人のみPlug-in Collectiveが、novation製品の製品登録した人のみSound Collectiveが表示され入手できるようです。
【関連情報】
Focusrite Plug-in Collective
novation Sound Collective
【価格チェック】
◎Rock oN ⇒ Scarlett Solo G2
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