コンサートピアノ、Ivory Mobile American Dも登場、KORG Moduleはまだだ進化中。10月30日まで特別価格の2,400円

みなさんはiPhoneやiPadで動く音源について、どんなイメージをお持ちですか?「まあ、オモチャのお遊び音源だろ」なんて思っている方も少なくないと思います。もちろん、一言でiOSの音源といってもピンからキリまであるので一概にはいえませんが、このKORG Moduleに限って言えば、もうレコーディングやライブステージなどにも十分使えるクォリティーのハイエンド音源です。

その理由は以前からの人気のライブラリー「Ivory Mobile Grand」で2GB、今回新たに登場した「Ivory Mobile American D」も1.1GBの容量となっている辺りからも想像できるのではないでしょうか?「iPhoneやiPadは持ってないから……」「自分はAndroidユーザーだし……」という人も、手軽に持ち歩き可能な高品質音源としてKORG Module専用にiPadを購入しても間違いないレベルのものなのです。先日v2.7へとアップデートすると同時に、新ライブラリが追加されたKORG Module。ちょうど10月30日までキャンペーン価格で販売されているので、改めてどんな音源なのか紹介してみたいと思います。


iOSで動く最強のサンプリング音源、KORG Module

KORG Moduleについては、「iPadは楽器だ!高品位音源アプリKORG Moduleを弾きまくれ!」などの記事で何度か取り上げてきましたが、iPhoneおよびiPadで動く最高品質のサンプリング音源です。

WindowsやMacの音源の場合、通常はプラグインとしてDAW上で動かすことが多いと思いますが、iOSアプリであるModuleはスタンドアロンで動く音源だから、起動して即演奏できるのがポイント。しかもiPhoneやiPadという小さなデバイスで使えるため、どこへでも手軽に持ち運びできるのは大きな特徴だと思います。もちろんGarageBandやCubasis、Auria ProなどのiOS上のDAWと連携して動かすことも可能ですよ。音源としてのクォリティーはPC上のものと比較して引けをとらないか、それを上回るレベルなんです。


iPhoneでも同じように動作する。画面はiPhone XS

Moduleは通常4,800円で販売されている音源で(10月30日までは半額の2,400円)、当然これ単体で強力なサンプリング音源として使えるもの。アコースティックピアノ、エレクトリックピアノ、オルガン、クラビ、そしてシンセサイザと鍵盤系を中心に計100のプリセットを持っています。


KORG Moduleには標準で100のプリセット音色が用意されている

しかし、ユニークなのは「エクスパンション・サウンド・ライブラリー」というModule専用のオプションが用意されている点です。当初2種類だったのが、少しずつ増え、今回のアップデートでIvoryシリーズの第二弾、Ivory Mobile American Dが追加されて、計10種類になったのです。具体的には以下の通り。

ライブラリー名 容量 価格 セール価格
SYNTHOGY Ivory Mobile Grand 2 GB 3,600円 1,800円
KORG Wurley Electric Piano 120 MB 1,200円 600円
PREMIER Vintage Organ 275 MB 2,400円 1,200円
TRITON Best Selection 34 MB 2,400円 1,200円
80’s Electric Piano 593 MB 2,400円 1,200円
Mellow Tape Keyboard 152 MB 1,200円 600円
SCARBEE Classic EP-88M 1GB 2,400円 1,200円
KApro Orchestral Dreams 1.07GB 2,400円 1,200円
KApro Dreamy Synths 643MB 2,400円 1,200円
SYNTHOGY Ivory Mobile American D 1.1GB 3,600円 2,400円

 

ここにサンプリングデータの容量も記載しましたが、こちらオプションを購入すると、そのサンプリング素材がダウンロードされる形になっています。1.2GBあるModule本体(この中には、100プリセットのサンプリングデータも含まれる)を合わせれば、全部購入した場合トータルで8GB程度。かなりの容量ですよね。


オプションであるエクスパンション・サウンド・ライブラリーを購入すると、そのデータがダウンロードされる

当然、これらを使うには、それだけの空き容量が必要となるわけですが……。ちなみに、iPadならiPad 第3世代やiPad 2、iPad mini以降の機種ならModuleを動かすことが可能。iPhoneならiPhone 5s以降が対象。ただし、機種によって、処理能力に違いがあるため同時発音可能な音数は変わってきます。KORGの資料を見ると、発音数は以下のようになっています。

さて、ここで気になるのは、実際どんな音なのか、という点です。オプションであるエクスパンション・サウンド・ライブラリーを使ったデモ曲がSoundCloudに上がっているので、少し紹介してみましょう。

まずはModuleを使うなら絶対入手しておくべきピアノ音源、「Ivory Mobile Grand」のサンプルサウンドを聴いてみてください。

ご存知の方も多いと思いますが、これはSynthogy社のPC用に開発し、販売しているソフトウェア音源、Ivory II Grand Pianosをベースにしたもので、この音が出せるのはちょっと感激しますよ。

一方、今回のバージョンで新たに加わったのは同じSynthogy Ivoryシリーズである「Ivory Mobile American D」。これのサンプルサウンドが以下のものです。

こちらはIvory II American Concert Dに収録されているヴィンテージAmerican Steinway D Concert Grandと同じサンプルを収録しているとのこと。同じSteinwayのピアノでもメローな感じのIvory Mobile Grandのピアノと比較すると、より明るくシャキっとしたパワフルな感じでいいですよね。


新バージョンのv2.7では、Ivory Mobile American Dという新音源がオプションとして追加された

普通だったら別ブランドのピアノにするかアップライトピアノにするなど、差別化すると思うのですが、あえて同じメーカーのピアノを出した背景には、KORGとコラボしたSynthogy社からの強い主張があったからなんだとか……。

KORGによると「Synthogyもよほど自信があるようだったので、それを信じてみました。データが仕上がった時には、たしかに最初のモデルとはまったくキャラクタが異なるピアノサウンドだったので、これは行けると納得したのです。ドイツで生産されているピアノと、アメリカで生産されているピアノでは、楽器のパーツや素材も別のものを使っているそうで特に年代によってはサウンドも全然違うみたいですね。両タイトルとも特徴のある最高級のグランドピアノをサンプリングしたサウンドです。ぜひバンドで曲調に合わせてこれらの2つのモデルのピアノを使いわけていただきたいと思います」とのこと。

Ivory Mobile Grandは1.99GBの容量と、エクスパンション・サウンド・ライブラリーの中では最大

一方、ピアノ、エレピ、オルガンなどキーボード系の音源が中心のModuleの中で少し異色なのがKApro Orchestral Dreamsです。名前からもわかる通りこれはオーケストラサウンドのサンプリング音源で、さまざまなサイズのストリング・アンサンブルはもちろん、数多くの楽器のアンサンブル、スタッカートのオーケストラ・サウンドも搭載。ベロシティーを強くしていくと音数が増え、最大にすると、いわゆるオーケストラヒットのようになる音色があるのも面白いところ。さらに、ソロ・チェロ、コンサート・オルガン、交響曲合唱団、ドラムなどの音色も収録されています。そのサンプルサウンドが以下のものです。

 

そのほかもいくつか紹介してみましょう。DTMステーションでも何度か紹介してきたPREMIER SOUND FACTORYのオルガン音源がこちら。


曲がカッコイイというのはあるでしょうが、グッとくるサウンドですよね。また「80’s Electric Piano」という、その名のとおり、80年代を代表するエレクトリックピアノがこちら。


オプションである各エクスパンション・サウンド・ライブラリーはアプリ内課金で購入する

また、KORGのミュージック・ワークステーションのベストセラーであるTRITONの各種音色をKORG自ら再現させた、その名も「TRITON Best Selection 」

さらにはMeletoronを再現させた「Mellow Tape Keyboard」

などなど、さまざまなオプションが用意されています。ただし、実際キーボードをプレイする人にとって、気になるのは音のクオリティーだけでなく、レイテンシーだという人も多いでしょう。このModuleの特徴は、そのレイテンシーが極めて小さいことです。ModuleもPCのDAWなどと同様、バッファサイズの調整をすることが可能で、設定画面において最低64サンプルまで縮めることが可能。これであれば、レイテンシーはまったく気にならないですね。


AudioLatancyの項目で、バッファサイズを設定する

もちろん、64サンプルで大丈夫か、もっと大きいバッファサイズにするべきかはCPU処理速度次第。まあ128サンプル程度で、実用上まったく問題ないと思いますが、実際に試しながら調整してみてください。ちなみに私が今使っているiPhone XS、iPad Pro 10.5においては、64サンプルの設定でまったく問題なく快適に動作しました。またこの状態で、KORG microKEY AirなどのBluetooth MIDIのキーボードで弾いても、低めのレイテンシーで使えるのも嬉しいところです。


ベロシティーカーブを設定していくこともできる

なお、このKORG Moduleはさまざまな設定項目があるのも重要なポイント。たとえばベロシティーカーブを個別に設定することもできるし、録音機能も用意されており、Recordボタンを押すとオーディオとしてレコーディングすることができ、録音結果はSoundCloudやDropbox、またメールなどでシェアしていくことも可能になっています。


レコーディングした結果をSoundCloudやDropboxなどへシェアしていくことも可能

以上、KORG Moduleについて紹介してみましたが、いかがだったでしょうか? これだけのものが、PCの音源の価格と比較すると、1桁安く入手できちゃうのですから、すごいですよね。しかも10月30日までは半額のセールとなっているので、せっかくなら今入手しておくのがよさそうですよ。ぜひ、この手軽に持ち歩ける高品質な音源を思い切り活用してみてください。

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